あなたのPC・スマホがスーパーコンピューターに ~ 社会貢献のご案内
World Community Gridというボランティアを聞いたことがありますか?
ボランティアといってもどこかに赴いて身体を動かして作業したり、専門スキルを提供したりするものではありません。
世の中のコンピューティング環境は日々進化を遂げています。スーパーコンピューターと言われる科学技術計算に強みを持つコンピューターもその中のひとつで、1秒間に1京回もの処理ができる日本が誇る京(K computer)をご存知の方も多いのではないでしょうか。
そういったスーパーコンピューターでは、非常に複雑な科学技術計算を行っており、医学や理化学上の様々な検証や開発に寄与しています。スーパーコンピューターは非常に能力が高いのですが、反面、開発までの期間とコストが膨大になり、利用したいユーザーとしては気軽には使えないという側面もあります。
こうした中、各個人が使うクライアントPCの休眠している、あるいは余剰のCPU能力を集めて、あたかも一台のスーパーコンピューターのように利用しようという取り組みがあります。
バックとなる技術は、多くのPCや中小型サーバーのCPUをネットワークを介してつなぎ合わせ、プログラムの個々の部分が同時並行的に複数のコンピューターで実行される仕組みです。これはグリッドコンピューティング、あるいは分散コンピューティングと呼ばれています。非常に複雑な計算もネットワークを介して複数のコンピューターを使用して行うことで、一台のコンピューターで計算するよりスループットが高くなることがあります。
このグリッドコンピューティングを構成するCPU能力を、広く世の中の余裕のあるPCから集めようとするのが、World Community Grid (WCG)なのです。
世界中の数多くのPCを結びつけることで、一台の能力としては微々たるものでも、集まったCPUとしてはスーパーコンピューターにも匹敵するものとなります。
2004年に始まり10年を越える実績をもつWCGですが、これまで、ヒトたんぱく質の解析やHIVの治療薬の候補特定といった研究に貢献されてきています。千葉県がんセンターと千葉大学の小児がんにおける共同プロジェクトでも利用されました。最近ではエボラ出血熱への対応にも、このWCGの仕組みが活用されています。
これも一種のボランティア、社会貢献です。
このボランティアに参加するのは簡単。WCGのサイトから必要なソフトウェアをダウンロードするだけです。どのようなPC利用状況のときにWCGに協力するか、どの研究プロジェクトへのCPUリソース割り当てをするのか、といったこと選択することができます。
最近ではスマートフォンからもWCGに参加できるそうです。スマートフォンからの参加の場合には、電源ケーブルがつながっていてWi-Fi接続しているときのみリソースを提供するような仕組みですので、動作が重くなったらどうしようという心配も無用です。
一度試しに参加してみてはいかがですか?
World Community Gridへの参加はこちらから
IBMはWCGに協力しています。