旅の三日目 長野 - 直江津 - 高岡
長野でかみさんと別れた。かみさんはあすから仕事があり、家に戻らなければならない。私はまだ余裕があるので、きょうは長野から、直江津経由で富山県高岡に行くことにした。ここ十年以上、新潟県に足を踏み入れていなかった。まずは新潟県直江津に向かう。
長野の駅を出て少したつと、あたり一面がりんご畑になる。日本有数のりんごの産地。中心地は豊野という。その地名の通り、豊かな大地である。いま、りんごは花の咲く季節。豊野は一面の白い花でかすんでいる。りんごの花は観賞用ではなく、実をつけるための花で、鮮やかさはないものの、こんなに雄大に咲いていると、こころ奪われる。
スキー場で有名な黒姫駅に近づいてくると、飯綱山、黒姫山、妙高岳の大きな山塊が左手に迫ってくる。その山々の大きさ、ボリューム感に圧倒される。そして、裾野に広がる、雄大な台地。北信濃と聞くと、小林一茶ののどかな風景や「うさぎ追いしかのやま・・・」のふるさとのイメージだが、実は圧倒的な広大さを持つ高原地帯なのだ。私の写真技術では、車窓からそんな景色を撮影することは困難だ。
直江津は直江兼継ゆかりの地である。来年のNHK大河ドラマ「天地人」の主役に決定している。兜に「愛」の字の飾りをつけた武将である。この「愛」は人間愛とかの愛ではなく、おそらく愛染明王の愛だと思うが、まあ、その辺はイメージを壊すので、控えておこう。
直江津からはくたかに乗り、高岡へ。はくたかの顔はこんな感じ。北陸本線の新潟南部の路線は日本海に沿っている。親不知など写真のように、車窓の外はもう日本海である。日本海は考えてみると、陸地の北側に海がある、北半球でも数少ない海だ。地中海のアフリカ側、ドイツなどヨーロッパの北側など。今日も、日本海はにび色で、海と空の境がはっきりしない。
高岡に着く。若い子が多く、みんなざわざわしているので、変な町だ、と思ったら、何かお祭りの日だったようだ。旅人としては、お祭り騒ぎに参加するのも微妙な違和感があるものだ。高岡といえば、富山湾で取れたさかな。寿司屋にキトキトのさかなを食いに行く。キトキトだったが、山の育ちの私には、うまいけれどどれほど旨いのか、よくわからないのが困ったところだ。
旅はまだ続く・・・。m(_ _)m