【解説】サンの仮想化技術の全貌 その2 サーバの仮想化
1月28日に「【解説】サンの仮想化技術の全貌 その1 VDI デスクトップの仮想化」を書いた。
社内の人からは、良くまとまっているとの、おべんちゃらお褒めのお言葉をいただいたので、調子に乗って、サーバの仮想化について記載したいと思います。
企業内(外)の仮想化を考えるとき、単なる要素技術や部分的な仮想化「だけを」考えてはならない。IT基盤技術は、サーバ、ストレージ、デスクトップの三大要素があり、さらに、これをどのように管理・運用していくのか「仮想化の管理」がだいへんに重要な事で、その事を教えてくれない仮想化のベンダーと話すときは、これは部分解でしかないことを、肝に銘じなければならないでしょう。
さて、サンではサーバ製品、ストレージ製品、デスクトップ製品、それらを管理運用するソフト
ウェア製品、各仮想化をお客様の環境に最適化するサービスと、IT基盤全般に渡って、製品と
サービスを持っています。おそらくIT企業の中で、唯一、全てを網羅している、と言って良いのではないでしょうか。
サンのサーバ仮想技術
サンは様々に誤解を受けやすい企業らしく、サンではサーバしか販売していない、と思われて
いる。皆さんの個人情報のLDAPは弊社のLDAPに格納されているし、メールの多くはたぶん、
弊社のメールサーバだし、日本の重要なデータの1/3程度は弊社のストレージに入っています。まあ、みんなが知らないだけのことなんです。
とは言いながら、サンのサーバ技術は、すっごいですからね。サーバの仮想化にはさまざまな
タイプがあり、総合すると5種類もあります。
- ハードウェア・パーティション
- ハイパーバイザ・タイプ1
- ハイパーバイザ・タイプ2
- OSの仮想化
- アプリケーションの仮想化
上の図をご覧になるとわかるように、それぞれのタイプでオレンジ色のフォントのものがサンの
仮想化製品です。その他の企業の製品を見てみると、全てのタイプを網羅していません。
- IBMの場合 ・・・・・ IBM LPAR(メインフレーム)、x/VM、IBM WPars
- VMware の場合 ・・・・・ VMware(Hypervisor Type1)、VMware Workstation、VMware Server、VMware ThinApp
- Citrix の場合 ・・・・・ Xen
- Microsoft の場合 ・・・・・ Hyper-V、Microsoft Virtual Server、Microsoft SoftGrid
- Parallelsの場合 ・・・・・ Parallels Workstation、Parallels Virtuizzo
- HPの場合 ・・・・・ HP vPar
他社製品で、これが抜けてるというのがあったら、ご指摘下さい。
サンが、なぜこれだけ種類抱負に仮想化のソリューションを持っているのか
- 稼働するアプリケーションに適合した仮想化を適用できる
- 極めて重要度の高い基幹業務から、たくさん分散している、重要度はそれほど高くないけれど、統合化してしまいたいサーバに安価で適切な仮想化をする
- ひとつの技術のみに固執して、IT基盤を変更していく際の柔軟性がある
要するに適材適所なのです。ここで、問題になってくるのが、このただでさえ複雑な仮想化をどのように管理するのか、ですが、ようやく管理ツール「Sun xVM Ops Center」が出てきました。まだ、第二版で、今後とも、拡張が計画されていますが、この版でも、多くの機能が追加されています。
サンの仮想化製品はそれぞれ、多くの機能と利便性があり、一言で説明できないので、回を追って説明しましょう。今回は、
Dynamic System Domain
Dynamic System Domain はハードウェアの機能です。大規模な仮想化を行い、基幹業務を安全に稼働させるなら、この機能は検討に値します。この機能の特徴・優位点は、
- 独立性の高いDynamic Domain (ハードウェアパーティショニング)による、他パーティションニングでの障害発生の際もサービスを継続
- 1CPU単位でのハードウェアパーティショニング機能によるきめ細かいリソース配分
- Solarisコンテナ(ソフトウェアパーティショニング)による、より粒度の小さなパーティション作成し、使用率を向上
- ハードウェアパーティション、ソフトウェアパーティションの組み合わせによる柔軟なリソース配分
です。
LDom Solaris Container、Sun xVM 製品群については、日を改めてご紹介しますね。