新入社員は、3 年で辞めてもかまわない、と思う
まるで、大木さんに喧嘩を売っているようですが、その通りです(うそです)。大木さんや伊藤忠商事の丹羽会長も含め、日本の常識人やビジネスパーソン達は、若い人たちにたいへん優しいのだな、と思います。日本には昔から、先輩・後輩の関係を育てる土壌があります。
ちなみに和英辞典では、先輩を「Elder Person」つまり、年上の人、という意味しかありませんが、国語辞典(大辞泉)では、「①年齢・地位・経験や学問・技芸などで、自分より上の人。②同じ学校や勤務先などに先に入った人。」とあります。経験を積んだ先輩が後輩を育てていく、というのが日本の麗しい風習です。
しかし、私はあえて逆らってみたいと思います。従業員採用についても、日本も国際化を進めていくべきだと思っています。その中で、日本以外の国々から、たとえば、中国、韓国、台湾、インド、他のアジアやアメリカ、ヨーロッパから移ってきた人たちも、日本人の新入社員同様に社員対象者として認めるべきでしょう。日本語で敬語をきちんと話せ、人との対応もりっぱで、仕事も出来る、というノン・ジャパニーズを何人も知っています。
そうなってくると、今までのように何年も、しかもお金をかけて新入社員を優しく育てていく事は、必要性が低くなるでしょう。日本以外から来る人たちの中には、採用後、すぐに実業務をこなしていく事の出来る人がいるでしょう。もちろん、企業としてはそういった人の方を優遇すべきでしょうね。
会社 3 年以内に辞める人には、その会社の方針や企業風土が合わない人もいるでしょう。または、入社して、自分のスキルの無さ、未熟さを実感し、将来のもっと大きな目標のため大学院に進んだり、他の会社でスキルを磨く、という人もいると思います。私が新入社員の頃にも、そういった人たちはたくさんいました。
しかし、新入社員の 30 % というのは多すぎるようです。回りの人が辞めるからとか、辞めて転職するのが流行っているから、という人もいるのでしょうね。人材派遣会社の中には、若い人材を大勢転職させる事によって商売をしている会社もありますので、うまくはまってしまう人もいるのでしょう。
そういった流れに乗ってしまうのは、その人個人の優劣など関係なくなってしまい、単なる頭数(外資系ではヘッドカウントと言います)になってしまいます。十把ひとからげとも言いますね。意図するしないに係わらず、若い人たちをふるいにかける手段になっているように思います。転職によって成長する人の数よりも、落ちていく人たちの数の方が多いように思いますが、別にこれは今に始まったことではなく、私が新入社員の頃にもありました。
教職免許を取っていたので先生になる人、田舎に帰る人、実家を継ぐ人、バイトを続ける人、どこかに行方不明になってしまう人。今も、10年前も、20年前も、または 50年前であっても、同じ状況ではないかと思います。ただ、その数が増えたのと、人材派遣会社が商売する幅を広げられたというのが、現状でしょう。
やるきがなければ「さようなら」で良いのだと思います。自分自身で選んだことなのだから、結果も自分に返ってくるだけなのだ、と思っています。それだけの事だ、と感じています。