水の国
昨日(12月4日)は、大阪で「グローバル財務管理の実現化に向けて」と題してセミナーを行った。いろいろな意味で多くの課題を残したが、今後、グループ企業の連結経営の中におけるITの重要性、グローバルな視野に立った経営の中で、財務(Treasury : トレジャリー)が果たす大きな役割など、重要な問題の提起が出来たのでは、と思う。なぜIT基盤の企業が、こういった経営に直接関係する問題を提起するのか、については、今後弊社のWebページやこのブログ、その他のメディアで紹介していく。
さて、サンのスタッフや講演者には、昨晩のうちに東京に帰ってもらったが、なにが起こっても良いように、私は昨日の晩も大阪にホテルを取っていた。特に大きな問題もなかった(コートを間違えた人が出たくらい)ので、お客様との二次会は営業たちにまかせて、私は久しぶりに、のんびりと睡眠を取らせてもらった。年寄りは体を大切にしないとね。
朝、新幹線で大阪より東京へ移動。近江のなだらかな山々が紅葉の最後を見せていた。関ヶ原あたりでは、朝、雨が降ったのだろう、山の峰や林や木々の間から、水蒸気が幾筋も、幾筋も上っている。すばらしい水分の量。たっぷりとした湿度。なんて。美しいんだろう。これが日本なんだなあ、と思う。
砂漠の民であれば、砂漠の静謐さ、雑菌も生きていけない聖なる環境を、誇るのだろう。私のiPod Shuffle には、いま、なんとオスマントルコ軍楽隊の古い陸軍行進曲「ジェッディン・デデン」が入っている。不思議な事に、この中近東の砂漠を思わせる曲が、この水を大いに含んだ風景と、とてもマッチする。
豊かな水量は、豊潤な実りを期待させる。100年前、50年前、日本はそういう国であった。いま、人々は山に背を向け、川に背を向け、美しかった海岸に背を向け、国が率先して、木々を伐採し、岸辺や砂浜をコンクリートで取り囲んでしまった。
人は間違いを犯すし、それは国も同じ事だ。気づいたら、改めれば良い。地域や土建屋にお金を渡すために、国の一番大切な宝物(トレジャリー)を壊していくのは、やめにしよう。