赤福の問題は、対岸の火事、ではない!
赤福の不正問題で、営業禁止処分など厳しい制裁が加えられている。残念ながら、これはまったく言い逃れができないことだ。赤福のお餅を冷凍にして後で使ったからといって、突然、毒を持ったり、腐ったり、食べられなくなることはない。問題は、適切な表示をしなかった事、偽装をしたこと、不正をしたことについて事前に公表しなかった事などだ。
賞味期限とは、Wikipedia によると、「その食品を開封せず正しく保存した場合に味と品質が充分に保てると製造業者が認める期間(期限)」とある。JAS法では、「賞味期限は、その食品の品質保持に関する情報を把握する立場にあり、当該製品に責任を負う製造業者等が、科学的・合理的根拠をもって適正に設定すべき」なのだそうだ。私の個人的な意見なので、正しくないかもしれないが、白い恋人でも赤福でも、その地区の保健所と「事前に」相談し、余った在庫品でまだ食べられるものについては、殺菌処理などをして、安価でかつ処理工程を明確にして適正な賞味期限を設定して、別売すれば良かったのにと思う。食べ物を粗末にはしたくないので、そういった二次加工の製品があっても良いのではないか。
つまり、かってに黙って、社内だけで改ざんする事が悪い事なので、これは、このお菓子メーカーだけの問題ではない。これから始まる日本版SOX法や内部統制の考え方の根幹に、情報・帳簿などの改ざんの禁止や処理行程の明確化と、それらの監査機能をすべての企業が持つ事が必要になる。
たとえば。お客さんの社長が3月31日金曜日の晩に、今年度予算で、大きな機器の購入を決定したとする。すでに経理は帰宅しているので、注文書は4月3日月曜日にメーカーに渡り、受注処理を行って、4月4日火曜日に受注確認を出し、製品の出庫指示を出して4月11日火曜日に出庫した、としよう。営業は、発注伝票の日付、受注処理日を3月中の日付に書き換え、お客さんの会社の予算も昨年度中、メーカーの売上も昨年度にしてしまった。これは、明らかにダメでしょう。これでは、決算書の正確性を欠いてしまいます。営業が発注伝票や受注処理日を改ざんできるユーザIDを持っている事自体が問題です。こういった不正を起こさせない、起きても監査で見つかる事が重要でこれは、内部統制ソリューションのうちのアイデンティティ管理の範疇です。
まあ、この場合、3月31日まで購入決定をしなかった社長も、かなり悪い。自社や取引先の処理工程や期間を知っていないのは、経営者として失格だと思います。この営業を抱える会社の社長も同罪です。
また、他の例では。お客様は3月下旬に経理が間に合うように発注したが、途中で営業が止めた。大きな商談だったが、その営業の営業目標はその商談がなくとも今年度は達成できる。その余波で、来年は大きな商談がない。営業は倉庫に行って、そっと購入機器を搬出、自分で納品した。このために倉庫の入出庫係をいつも飲ましていた。4月になって、注文書に4月の日付を書き、出庫指示を出し、入出庫係に日付を改ざんさせた。当然これは犯罪でしょうね。この場合、ビジネス・プロセス管理とモニタリングが内部統制の中で重要になってきます。
アイデンティティ管理は弊社から別途ご案内しますが、このビジネス・プロセス管理については、ビジネス・プロセス革新協議会(BPIA)という団体があります。今度このBPIAの総会の後、パネルディスカッションがあり、私もパネリストのひとりとして参加することになりました。要領は以下の通りです。
2008年度 総会 講演会のご案内 | |||||
日 時 | 11月9日(金)
|
||||
会 場 | 霞が関ビル (千代田区霞ヶ関) | ||||
地 図 | http://www.kasumigaseki36.com/access/index.html | ||||
詳 細 | 公開講演会プログラム (一般の方もご参加いただけます。参加費無料。) お申込み、詳細はこちらから ●講演 1
「ワーク・ライフ・バランス」から「ライフ・ワーク・バランス」へ
●講演 2
〜生きがい、働きがい、やりがいの面白ワルツ♪を踊ろう! 渕野 康一 株式会社東レ経営研究所 取締役人材開発部門長
「ワークスタイルとワークプレイス研究会からの提言
●シンポジウム
〜ワーク・ライフバランスをベースとした日本の活性化と進むべき道」 坪本 裕之 首都大学東京 都市環境学部 助教 (BPIA会員)
「ここまできた業務プロセス可視化の考え方と技術」 <パネリスト> 天野 和昌(ソニックソフトウェア) 西脇 資哲(日本オラクル) 市橋 暢哉(マイクロソフト) 高橋 徹 (サンマイクロシステムズ) 田岡 賢輔(富士ソフト) |
オルタナティブ・ブロガーの西脇さんが載っていますが、オラクルのFusion をご担当の城さんに変わるそうです。