賭け事で儲ける方法とは
みなさんは宝くじとか、買うほうだろうか。また、競馬や競艇など賭け事をされるほうだろうか。私は特に宝くじはまったく買わないのだが、それは頭に当たり前の分数が浮かんでしまうからだ。
たとえば1億枚の宝くじ券があったとして、一等が一枚で1億円当たるとする。すると当たり前だが、当たる確率は1億分の1である。交通事故にあう確率よりも、全然低い。絶対に当てる方法は1億枚買ってしまうことだが、宝くじ券が一枚100円としても、全部買うと100億円するので、前後賞やら3等4等5等なんか、全部合わせても、100億円には遠く及ばない。
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この事は、ただ単に私が書いているだけでなく、「使える!確率的思考」(小島寛之著、ちくま新書、2005年)に書いてある。この本ではさらに、よく当たりのでる売り場があるのも当たり前だといっている。わかりますよね。
Aという売り場はたまたま1等があたり、評判になっている。Bという売り場からは大きな当たりは全然出ていない。当然Aの売り場で買う人が増えるので、Aの売り場では10万枚、Bの売り場では1万枚売れたとすると、Aの売り場で1等が出る確率は分子が10倍になり、確率上売り場Aで1等の出る確率は、売り場Bに比べると10倍になる。
では、買う側からみるとどうなるのか。売り場における確率が上がっても、買われる宝くじの枚数も10倍になり、結局分母が10倍なので、確率としてはどこで買おうがいっしょになる。数式で書くと一発でわかるけれど、面倒なので各自で書いてみてね。
しかし、リアルワールドと数学の世界には、微妙な差がある。これも、上記の小島氏が書いているが、さいころの目の出る確率は6分の1だが、物理的にいうと、さいころの重心が正確に正六面体のど真ん中にあるわけではないので、1から6までが出る可能性は微妙にずれる。宝くじの当選番号を決める際にも、物理的な微妙な誤差が出るはずである。宝くじが好きなひとはその微妙さ加減がおもしろいのかもしれない。
だからたとえば、1等の宝くじの番号を全部調べて、この桁にはこの数字がでやすいということを調べてみると、もし自分の好きな番号を選べられるのであれば、当たる可能性は上がるかもしれない。そうなると抽選する側も、コンピュータなどを使って乱数表を作るかもしれない。しかし、詳細は小島氏の本を読んでいただくとして、実は「完全な乱数」は存在しないのだそうだ。コンピュータで乱数表を作る場合も、特定の方程式から導き出すしかないから、コンピュータ対コンピュータの対決で、当たりくじを探すことになるのだろうか。
いやいや、本来、宝くじを買うのは、本人の運試しという喜びのためだろう。どんなに多くの宝くじの枚数が出ていても、当たる人は必ずいるのだ。そういった淡い運を楽しんでいるのだと、想像する。そういう遊びなのさ、と言いきれれば、かっこいいかもしれない。
寄り道だが、よく「人の運は一定だ」「そんなところで無駄な運を使うな」なんて言う人がいる。私がみている限り、そんなことはない。ずーーっと運が良い人というのも何人も見ているし、なんかこの人、ずーっと運がないな、という人もいる。え、私は実力無しで、運だけで生きて来たもので・・・。
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さて、賭け事も、競馬、競輪、競艇となると、不確定要素が大きくなり、単純な確率ではなくなる。競馬なら、人気のある馬に賭ければ当たる確率は上がるだろうが、配当金は相対的に少ない。大穴狙いでは、勝てる可能性が、ずん、と低くなる。しかし、運を遊ぶのなら、大穴狙いもしないと、面白くなさそうだ。
人生自体が大きな賭けだ、と言われている私の場合、生きていることが運試し、もうそれだけで充分なので、賭け事はしない。一度だけ、ラスベガスで講習会があったときには賭け事をした。なんで、ラスベガスで講習会かって?ホテルの部屋が安くて広くてゴージャス、食べ物も美味しくて安いからだ。3泊して、勝ったり負けたりしながら、合計で4万円ぐらいの損。他の連中はみんな10万円を越える損だったので、あとで家に帰ってみんなかみさんに叱られたに違いない。
運試しを楽しむ程度で、余裕で楽しむなら、賭け事は楽しい。負けが込んで、眼が血走ってきたり、借金を抱えるようになったら、ちょっと問題だろうけど。
ここで終わると、題名の「賭け事で儲ける方法」を書いていないことになる。賭けて絶対儲かる、という方法はない。少なくとも確率上は。まあ、儲けかるも運、損するも運と考えるのが、一番だと思う。
しかし「賭け事」で儲ける方法がひとつだけある。それはその賭けの「胴元」になることだ。もともと、賭け事の胴元になると本当に儲かるので、やくざさんたちの資金源になる。そうでなくとも、親総取りだったりするので、国で唯一権力を持っている組織(政府というか官庁組織)が法律で禁止し、自分達の良い様に扱っている。競馬でお金を儲けるなら、JRAになることなのです。
つまり、ゲームプレイヤーではなく、ゲームメーカーもしくはゲームオーナーになることが、権力を集中させ儲けるポイントだと思う。実はビジネスも(人生も)同じなのだけれど。
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追記:(9月3日)おおたさんのご指摘で気がつきました。「確率」と書くべきところを、全部「確立」と書いていました。訂正して、お詫びします。ひとつだけ言い訳をすると、このブログ、寝床で横になって、めがねをはずして書いてました。漢字変換ソフトで、気ままにキーインしていると、私の場合、最初に出てきた漢字をあまり疑いもせず使っているようです。今後、樹を漬けたいと重います。じゃない、気をつけます。