【Eco-Responsibility】きょうの講演のおさらい
本日(5月23日)東京ミッドタウンホールにて開催した、Sun Business.Next 2007にて「ITは地球に対して2つの『エコ』に責任がある」と題して、講演をさせていただきました。今回の公演内容について、ここで簡単におさらいをしておきたいと思います。
■■■ 問題提起 ■■■
1.いま地球規模で問題となっている「温暖化」や「環境問題」について、ITは2つのエコ『エコロジー』『エコノミー』の観点から貢献は進めているものの、『eウェイスト』と『エネルギー消費』という
理由から、ITは地球にやさしい、とは言い切れない。2.『eウェイスト』は産業廃棄物の問題が存在し、それは肥大化している。
3.『エネルギー消費』では、データセンターが大きく電力を消費しており、送電・変電による電力損失、データセンターの気温の偏りとそれを是正するために電力を余計消費している。実際の環境では、IT機器に使用される電力は総電力の半分程度で、しかもほとんどは熱に変換されてしまう。現在のITによるCO2排出量は、2006年度で200Mトン。
4.遅くとも2015年までに、ITのサーバにかかる費用より、ITのエネルギーにかかる費用が大きくなる。このように、ITは日本においても莫大な電力を消費しているが、日本の発電比率では、いまだ半分以上が化石燃料を使用しており、これは直接的にCO2を発生させる元となっている。
■■■ サンとしてのアクション ■■■
1.サンは『革新』『実行』『共有』の3つの行動を元にEco-Responsibilityを果たしていく。
2.半導体(チップ)は『マルチコア・マルチスレッド』の方向に推移する。これにより、『並列化』が重要となり、並列化は処理時間の短縮と熱発生・消費電力を抑える。サンのUltraSPARCチップは32ウェイのマルチコア・マルチスレッドにより、これを実現する。このチップを搭載したSPARC Enterprise T1000は、32サーバ、9600Wのサーバラックを、同等以上の処理能力で、7サーバ、1900Wに置き換えられる。
3.シンクライアントは発熱を抑え、消費電力を抑えるデスクトップPCを置き換えるクライアントで、発熱を抑えることにより、オフィスの冷房を抑え、モーターの振動による低周波振動をなくす。Sun Rayはこのシンクライアント環境を理想的に実現する。
4.バックアップやアーカイブはHDDではなく、テープにすべき。現在、Sun StorageTek T10000テープドライブだと、1カートリッジに500GB、120M/秒で、HDDにバックアップを取るより高速である。テープ運用を自動化するには、テープライブラリーというロボティクスを使用したライブラリーを利用できる。最大、10,000以上のカートリッジを収納できる。
5.ソフトウェアは、並列化、無駄を排除した効率の良いサービスを実現するのに不可欠。Solaris、Sun Java System Application Server、Sun Java System Web Serverは並列技術を生かしたサービスを実現し、Sun Java CAPSはSOA、BPM、EAIにより最適化を実現する。
6.SPARC Enterprise T2000、Solaris、Sun Java System Web Server を利用して、大量トランザクションを処理させることができる。
7.オープンソース化により、技術を公開、コミュニティに貢献する。サンは全企業のうち、1番で、Lunuxへの貢献は最大、その他のオープンソースに対しても貢献度が高い。
8.サンのOpen Work プログラムにより、サンは経費を約76億7000万円2006年で削減している。
9.サンは自社のデータセンターのサーバをエネルギー効率のよいサーバに置き換えて、発熱・消費電力を抑え、あたらしいデータセンターを実現する。
10.サンは公的な責務を果たし、標準にのっとり、エコから得られた経験を公表する。
といったかんじでしょうか。今日、ご聴講いただいた皆様、ありごとうございました。今日お出でになれなかった皆様、なかなか抄訳にはなりませんが、こんな感じでした。疲れたので言葉が半分寝ております。あしからず。
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