町長や町議会議員は無報酬
というのは、これまたイギリス人の友だちから聞いた話です。私のブログにたまに登場するイギリス人の友だち、ジョン・ページじいさん(John Page)は以前IBMで働いており、CICSというトランザクション・マネージャのインターナショナル・セールスでした。私はIBM時代にCICSのプロダクト・マネージャでもあったので、いつも連絡を取り合っていた仲間でした。
ジョン・ページは以前、南イングランドのチェダーという町に住んでいました。そう、あのチェダーチーズ発祥の地であるチェダーです。これがチェダーの風景。
チェダーは「Civil Parish:パリッシュ(行政教区)」と呼ばれる、イギリス特有の自治体です。もともと教会の教区に起源を持ち、半独立的な性格を持つ法律上の地方自治体で、どちらかと言えば小さい自治区域を持ちます。一番小さい地区では住民が200名程度ですが、大きな地区では7万人を超える所もあるそうです。
ジョン・ページの友人がこのチェダーのパリッシュのメイヤー(町長?)になったため、ジョンもボランティアでメイヤーを手伝っていると言っていました。このパリッシュでは、メイヤーも議員も名誉職ということで、無報酬なのだそうです。 パリッシュが行っていることは、その地域の公共機関の整備・管理、街灯の設置・維持、地区の緑化、地域の公共交通の運営などで、地域住民から税金も徴収すそうです。
ひるがえって日本を見るとき、たとえば、町長や区長さんがこのレベルにあたるのでしょうか。パリッシュのメイヤーは自分の仕事が終わってから、夕方からメイヤーとしての仕事を始め3時間ぐらいするそうです。議員も同じなので議会は夕方から始まるようです。 地域コミュニティを考えるときに、日本でもこういった名誉職、ボランティアによる自治というのも、そろそろ考えても良いのではないでしょうか。行政・自治のオーバーヘッドは最小にしていくべきか、と。 そろそろ、地方自治体の市長・区長・町長選挙や議員選挙が始まるので、ふっとこの事を思い出しました。
ジョンには、このチェダーの家に泊めてもらった事があります。16世紀の家で、馬車小屋などがついていました。でもジョンは 「 Quite new (house) = とても新しい(家) 」 と言ってました。13世紀ぐらいのが欲しいとか。チェダーから帰る時は、当然、チェダーチーズを購入し、近くの「Bath ( バス : お風呂という言葉の起源になった町。ローマ人の公共浴場の遺跡があります 。) 」からロンドンに電車で帰ったのでした。