信頼されるOSを目指して「Solaris 10 11/06 発表」
サンが提供するオペレーティングシステム(OS)、Solaris は常に進化を続けています。米国サン・マイクロシステムズは、この Solaris の最新バージョン Solaris 10 の機能アップデート版である、Solaris 10 11/06 を1月16日(米国時間)に発表しました。(英語)
Solaris の特徴は以下の通りです。
1.オープンソースである(OpenSolaris のロゴはこれ!)。
2.Solaris は無償(ただ)である。
3.Solaris は SPARC だけでなく、700以上のシステム(DELLやHP、IBMなどのハードウェア)上で稼動する。Solarisが稼動する環境(HCL)はこちら。
4.サブスクリプション(サポート)費用はレッドハットなど競合他社と比較して半額程度である。今日現在の費用の情報はこちら。
つまり、商用Linux を採用するより、Solaris 10 を採用した方が、導入費用、運用費用が低く抑えられます。
Solaris 10 の機能を大別すると以下の5つに集約できます。
1.優れた可用性
- 予測的セルフヒーリング
- Solaris フォールトマネージャ
- Solaris サービスマネージャ
2.最高のパフォーマンス
- ダイナミックトレース
- TCP/IP スタックチューニングなどのネットワーキング
3.リソースの最適化
- Solaris コンテナ
- Solaris ZFSなどのデータ管理機能
4.比類なきセキュリティ
- プロセス権限管理
- Solaris Trusted Extensions
5.プラットフォームの選択
- Linux との相互運用性(英語)
- SPARC プロセッサ
- x86/x64 プロセッサ
つまり、費用的に低く抑えられるだけでなく、
①運用がより簡単になる
②並列処理に最適(つまり今後さらに発展していくマルチコア・マルチスレッドチップ環境に最適)
③セキュリティがたいへん高い
という長所があります。
Solaris 10 11/06 と呼ばれるアップデート版では、仮想化(バーチャライゼーション)を加速させる、ロジカルドメイン(Logical Domain : LDom)機能の追加やSolaris コンテナの改善があります。LDom は、サンのマルチコア・マルチスレッドチップであるCoolThread T1(8コアで、1コアあたり4スレッドが稼動するので、全部で32スレッド、または、32ウェイが稼動)の上で、32個のOSインスタンスを稼動させます。その上でSolarisコンテナが稼動し、アプリケーションやサービスの分離が実現し、仮想化、並列化が一層推進されます。
Solaris 10 は今日現在、125のパフォーマンスの世界記録を持っており、最もパフォーマンスの良いオペレーティングシステムといえます。サンは、こういった改善と機能追加を通して、真に「信頼されるOS、信頼されるシステム」を提供していきたいと考えています。
m(_ _)m
追記:リンク集です。
サン・マイクロシステムズ株式会社プレスリリース
Solaris 10 が情報基盤強化税制の対象に--- 最新のアップデートリリースも発表 ---
ITpro 最新ニュース 2007年1月17日
「Sun,新OS「Solaris 10 11/06」はセキュリティと仮想化機能を強化
CNET Japan 2007年1月16日
「サン、論理ドメインによる新しい仮想化技術を発表へ」
COMPUTERWORLD.jp 2007年1月17日
「サン、Solaris 10のサポート料金をレッドハットの約半額に設定」
japan.internet.com 2007年1月17日
「Sun、『Solaris 10』の強化で Linux 市場への食い込みを狙う」