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それでも僕らは(誇りを持って)Web1.0の製品を販売し続ける

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ティム・オライリーの「 Web 2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル(ITmediaのみなさま、CNetのコラムへのリンクですみません)」の中で、NetscapeがWeb1.0の代表であり、GoogleがWeb2.0の旗手だと記述している。NetscapeがWeb1.0だと言われるとちょっと寂しい。なぜなら、我々サン・マイクロシステムズはNetscapeから受け継いだ製品を販売しているからだ。

マーク・アンドリーセンは、WebブラウザのNetscape Navigator を作り上げると同時に、htmlドキュメントを提供するためのHTTPサーバも開発した。それがNetscape Enterprise Serverだった。このNetscape Enterprise Serverには、NSAPI(エヌサピと読む:Netscape Server APIの略)など、昔懐かしいAPIなども機能として入っていた(まだ、サンではサポートしています!!)。

しかし、Netscapeも徐々にマイクロソフトに対抗しきれなくなり、AOLに買収されてしまった。サン・マイクロシステムズは、ネットスケープ社と3年間のアライアンスを行い、Netscape社のインターネット・サーバ製品群を販売し、かつ、知的所有権をサンに移管した。移管した製品のひとつが現在のSun Java System Web Serverであり、他にはSun Java system Directory Server Enterprise Edition (旧Netscape Directory Server)などがある。

HTTPサーバとしては、Apacheやマイクロソフト社のIISがあるが、両方とも無償(IISはサーバに同梱)なので、市販HTTPサーバとしては代表的な製品である。HTTPサーバは常に脆弱性の問題があるが、Sun Java System Web Serverの脆弱性は低く、セキュリティに強いHTTPサーバとして、金融機関や通信業界を中心に根強い需要がある。

あまり有名でないのは、私たちの努力が足りないせいもあるが、知的所有権が移動するたびにブランド名を変更しなければならなかったのも大きな問題だった。ちなみに、

  1. Netscape Enterprise Server
  2. iPlanet Web Server
  3. Sun ONE Web Server
  4. Sun Java System Web Server

と4回もブランド名が変わったのだ。

しかし、我々はマーク・アンドリーセンやNetscapeの人たちが開発し、販売してきた製品を、誇りを持って販売し続けていきたい、と思っている。

いまでもNetscapeでNetscape Enterprise Serverを開発したエンジニアの多くは、サンのエンジニアとして残っており、現役で開発を続けている。また、ディレクトリーサーバも面白い話がある。LDAPはミシガン大学で研究されたのだが、研究にかかる費用がなかったので、その研究者の一部をマーク・アンドリーセンがNetscapeに呼んで開発させたらしい(ガセネタか?)。いまでもその中の何人かがサンでLDAP製品の開発を続けている(これは本当)。 

ちなみに、みなさんが日ごろ使っているシステムで、トランスポート層の暗号化と認証に使われるSSLもNetscapeが開発したものだ。Netscape社の後継者として、Web1.0と言われようとも、こういった製品や機能はしっかりと推進していきたい。

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