入院してました。
「あ、 れ。。。。」 8月23日の午前 2 時。心臓の鼓動が早くなり、10分経っても直らない。冷や汗も出てきた。かみさんを起こす。救急車を呼んで欲しい。と、いう状況があり、S大学F病院の ER に搬送された。
動悸は、薬を注射してもらってすぐに直ったけれど、心筋梗塞のマーカー酵素が少しだけでているようだと言われ(どういう事?)、そのまま循環器内科に入院してしまった。入院したあとは動悸もまったくなく、苦しくもなく、いたって普通。心電図を取ったり血液検査をしたあと、「冠動脈造影検査(心筋梗塞があるかどうかの検査)」を行ってもらった。
結果はどこも問題なく、9月7日に退院しました。あとは経過観察をするため定期的に検診を受けることになりました。
入院中はどこも体調自体おかしくないので退屈でしたが、私は、このブログにたまに投稿したりしているように、個人的にヘルスケア分野のIT化に興味があるので、邪魔にならないようにしながら、F病院の様子を観察して見てみました。
まず、カルテは紙です。電子カルテ化が進んでいるなかで、F病院は遅れているのかというと、紙媒体はそれ自身有効で、たとえば私が受けた心電図の結果は、糊でカルテに貼り付けていました。一覧性という面では紙媒体の方が優れていると言っていいでしょう。しかし、私が受けた「冠動脈造影検査」の結果は、造影された結果が動画になって、Windows の画面で見ることができます。血液が流れる様子が様々な角度から造影されていて、私の場合、毛細血管の隅々まで行き届いていることが、ビジュアルにわかりました。この動画は紙カルテには貼り付けられないので、電子化された情報と紙にある情報が混在している、というのが現状のようです。
私が勤務しているサン・マイクロシステムズの米国側は、このヘルスケア分野でさまざまな貢献をしており、この電子カルテ(英語では、ヘルス・レコード・マネージメントといいます)についても言及しています。それによれば、電子カルテ化のメリットには、以下の要素があるようです。
- ペーパーレス(米国でも、まだ25%は紙媒体を使用している)
- 紙媒体の保管・更新などのコストの減少
- 紙媒体のため研究機関と病院間での情報の共有ができないことにより、不必要なテストをせざるを得ない(米国の場合、不必要なテストが17%から49%程度ある)。
- 紙媒体のため複数の医療機関での情報共有ができないため、重大な問題が発生する可能性がある。または、重複した検査を行う必要が発生する。
さらに、現在世界的には「患者の視点(Single Patient View)」の重要性に焦点が当てられています。厚生労働省も医療機関のIT化を進める上で、「患者の視点」を重視しています。「患者の視点」の一環として、以前は支払い時には単にいくらかだけしか情報がありませんでしたが、最近では病院で支払いをすると明細情報も記載されるようになりました。これは第一歩で、個人情報の管理や電子カルテも「患者の視点」に移行していくのが大きな流れだと思います。米国では、医者(Doctor)と患者(Patiant)という呼称から、ProviderとPayerという呼び名に変わりつつあります。
今後長く通院が続きそうですので、F病院の観察を通して、少し世界の動きと現場とのギャップやあるべき姿などを投稿していこうと思います。
最後に、個人的な事をふたつ。入院中いたって元気でしたが、することがないのでテレビを見ていました。私は普段はテレビを見ません。気がついたのは、どのチャネルも変わりばえしない番組で、お笑い芸人さんたちが出てクイズをしたり、ストーリーが安易すぎるドラマだったり、旅に出て美味しい食べ物を食べたりと、何が面白いんだろうと不思議に思いました。
もう一つは、退院後すぐに本屋に行って、山のように本を買ったのですが(私は活字中毒です)、ビジネス本を買って読んだら、なんて中身が薄っぺらで、あほな内容なんだろうと感じました。いっしょに「徒然草」とか「李白詩選」などじっくり読める本も購入していたので、そちらを読むことにしました。我々のいるビジネス環境もこんなに薄っぺらなものなんでしょうか。