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ITの技術や方向性考え方について別の選択肢を追求します

数字は何を語るのか?

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The Economist という雑誌の関連本で、「Pocket World in Figure 2006」という本があります。超マイナーみたいで、amazon.co.jpにはなく、amazon.comでもSellerからの購入になると言う状態ですが、情報源としては大変楽しい。おっ、amazon.co.ukにはかろうじてありました。どんな本かというと、世界各国の国の大きさから始まり、様々な経済的、文化的数字を順位付けしてあるものです。

おもしろい数字では、「Cost of Living」があります。HighestとLowestがあり、当然(?)日本は断トツのトップです。アメリカ合衆国を100とすると138という指標。逆にインドは44です。この数値は、国際的に典型的な生活をする場合における比較であって、その国の平均レベルの生活ではありません。

つまり、たとえばシステム・インテグレータのエンジニアを雇うにあたり、日本とインドでは金額に「3倍」の開きがあると想定できるのではないでしょうか。この場合、エンジニアのスキルレベルは同等と想定できます。現在、サンでもインドのエンジニアに日本に来てもらい、いっしょに仕事をしていますが、技術的には遜色ないようです。日本語ができないではないか、という問題があるかと思いますが、日本に来るエンジニアの数人にひとりは日本語が話せます。インドで日本語を勉強しているようですね。インドでのITエンジニアの地位は高く、プライドも高く、土日にも仕事をするのが当たり前みたいです。

トラックバックさせてもらった今泉さんの「フラットな時代の日本語のメリット」には、日本には独自の高品質に対する要求があるご趣旨を書かれているかと思います。しかし、たとえば、今日私が着ている服・下着・靴などすべてアジア各国の製品です。特に肌触りや細かな瑕疵などの問題もありません。被服に関しては、もう、海外で作り、品質管理も海外で行うのは、当たり前です。システム・インテグレーションも同じ道をたどるのだと思います。 

さて、では日本のシステム・インテグレータのエンジニアはどうすれば良いのか、ですが、どうしたらいいか、今のところわかりません。でも、アナロジーとして、今日私が身に付けている唯一の日本製の例があります。

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それは時計です。私の時計はSEIKO製で、クオーツですが自動発電で、電池の交換が必要ありません。時間もほとんど狂わず、何ヶ月かに一度ちょっと直すだけです。しかも200m防水です。別にデザインも悪くないので、ある程度フォーマルな席にしていってもおかしくないと思ってます。

さすが日本製だ、というのではありません。こんなに日本製が高品質にもかかわらず、私の部門の営業は皆スイス製の機械式の高級時計をしています。ローレックスとか、カルチェ、ブライトリングなんかで、この前ある営業に「とおるさん、やっぱり機械式でなきゃ。」と言われてしまいました。たぶん、私の時計の10倍以上の値段がするのに、彼らはスイス製なのです。日本製の時計でなく、スイス製の時計のビジネス・モデルで行くことも、選択肢のひとつでしょう。

ここらあたりに、日本の進む道があるように思われます。ダニエル・ピンク著大前研一役の「ハイ・コンセプト」という本を買って読みましたが、やはり同じような内容です。やはりオルタナティブ・ブログの平鍋さんの会社「ChangeVision」の製品群などは、この方向性だと思います。まとまりませんでしたが、日本のITも変化していかなければならないのではないでしょうか。

蛇足ですが、写真の赤い本が「Pocket World in Figures 2006」です。手前のマウスは、Javaのマスコット、Dukeが水の中を泳ぐサン特製のマウスです(ちょっと鼻高々)。この特製マウスは昨年のJavaOne Tokyoで自腹を切って購入したものです。

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