リスキリングに関する企業の意識調査とDX。DX取組企業は81.8％がリスキリングを実施

帝国データバンクは2022年11月28日、「リスキリングに関する企業の意識調査」を公表しました。帝国データバンクでは2022年9月に本調査を実施し、企業のDX、リスキリングの取組状況を調査しています。

この中から、リスキリングに関する企業の意識調査とDXを中心にとりあげたいと思います。

2022年10月に閣議決定された政府の総合経済対策では、「構造的賃上げと成長力の強化を図り、官民連携のリスキリングと成長分野への投資推進、人への投資の支援パッケージを5年間で1兆円へ拡充」の方針が掲げらています。

デジタル化とともに新しい職業が生まれ、仕事の進め方も大きく変わりつつあります。

リスキリングは単なる個人学習ではなく、DX推進などで新たに必要となるスキルの習得を、企業が主導して取り組んでいくことが求められています。

調査結果について解説していきたいと思います。

1.DX取組企業のリスキリング取組割合は81.8％、DX未取組企業のリスキリング取組割合は32.2％

リスキリングへの取組割合は DX 取組企業 81.8％、DX 未取組企業（「取組意向あり」を除く）32.2％となり、DX を推進している企業の方がリスキリングにも取り組んでいるという相関関係がみられています。

出典：帝国データバンク リスキリングに関する企業の意識調査 2022.11.28

取組内容をみると、DX 取組企業では、「新しいデジタルツールの学習」56.8％、「eラーニングの活用」35.3％が上位となり、日々の業務に直結する取組が進んでいます。

一方、DX 未取組企業では、「経営層による新しいスキルの学習、把握」41.5％や「経営層から従業員に学習が必要なスキルを伝達」29.1％と経営層の学習に関連するものが上位にあがっています。

出典：帝国データバンク リスキリングに関する企業の意識調査 2022.11.28

2.規模別では、大企業60.4％・中小企業45.8％の取組割合、コストを要する取組内容で差が開く

規模別にみると、大企業 60.4％、中小企業 45.8％と差がでています。取組内容は、「新しいデジタルツールの学習」は、大企業 58.1％、中小企業 46.0％。「e ラーニングの活用」は大企業39.6％、中小企業 25.4％となり、一定の資金や人的コストを要する項目に差があらわれれています。

出典：帝国データバンク リスキリングに関する企業の意識調査 2022.11.28

3.業種別では、取組割合上位は広告関連69.2％、情報サービス67.5％、取組内容にも特徴あり

取組割合の上位業種は、「広告関連」69.2％、「情報サービス」67.5％の順となった。広告関連は「従業員のデジタルスキルの把握、可視化」、情報サービスは「DX、デジタル化に関連した資格取得の推奨、支援」の取組内容において他業種より顕著に高くなる傾向があらわれています。

出典：帝国データバンク リスキリングに関する企業の意識調査 2022.11.28