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グーグル的なアプローチ

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グーグルの企業文化や人材を表現するキーワードを「グーグリネス、グーグラー、グーグル化、人間グーグルを考える」等のブログでもご紹介させていただきましたが、様々なところで聞くようになりました。

インターネット広告にやや伸び率の鈍化が見られますが、まだまだグーグルの成長は目を見張るものがあり、多くのビジネスパーソンにとってあこがれの存在である企業には変わりはないでしょう。また、グーグルの企業文化やビジネスモデルについて参考にしようとする企業も多いのも事実であると考えています。

ITProに「グーグル的アプローチでネット証券他社と差別化」というタイトルの記事が書かれていました。本記事の中でひまわり証券の中野執行役員は、

米グーグルは様々なAPIを公開して業績を拡大し続けてきた。金融会社でも今後こうしたグーグル的なアプローチの事業が増えるのではないか。

と述べています。

驚くのは金融機関の方が「グーグル的アプローチ」というキーワードを出したことです。金融機関は、セキュリティや安全性を担保したシステムを運用していかなければならないため、APIを公開して複数の市販ソフトに対応するオープンというアプローチはなかなか勇気がいることだと考えています。

4月5日には、旧東京三菱と旧UFJで異なる基幹システムを12月に完全統合することを正式に決めていますが、システム統合のためには、“古代エジプトのピラミッド建造に匹敵する動員規模”と言われるぐらい多くの人員を必要とします。

これまで金融機関は独自のシステムで運用をしていました。銀行の統廃合によりこれまで様々なシステムトラブルを起こしてきた事例も少なくはないでしょう。

IT業界は不人気と言われる昨今、特にSEに関しては非常に厳しい職場環境のため、就職活動をしている学生からは避けられる傾向にあります。エンジニアの慢性的不足感は今後も増え続けることが予想されます。

各種システムがグーグル的アプローチを続ければ、API連携で比較的容易にシステム統合をできることもあるかもあるかもしれません。可能な限りオープンなシステム環境を構築し、様々な連携が可能となる、グーグル的アプローチを考えていくことが重要になってきているのかもしれません。


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