【100円】どの店でも同じサービスが受けられるということと、この店でしか受けられないサービスがあるということは、二者択一なのか?
GW前くらいに、我が家でも話題となった、マクドナルドでコーヒーのおかわり無料サービスがなくなったという話。妻によれば、テニス友だちとコートに隣接するマックでいつものようにお茶して、またいつものようにコーヒーのおかわりをお願いしようとしたら、サービスを終了したと言われて焦ったとのこと。「コーヒーのおかわりくださーいって、いい大人が3人で並んだのよ。ちょっと格好悪かったわ。140円→【100円】に値下げになったのは嬉しいんだけど、おかわり無料がなくなっちゃったのは、すごいザンネーン!」
でもこのサービスが、店独自のものだったとわたしが知ったのは、GWが明けてからのことでした。日経ビジネス4.30号に掲載されていた記事-マック、「おかわり終了」の真意-によれば、これは「どこかの店舗が独自に始めた「非公式」なサービスだった」そうですね。
…(前略)…公式に認められたサービスではないため、利用した店や接客した従業員によって対応が異なってしまう可能性もある。こうした状況は、「知っている人だけが得をする」サービスだけに、顧客の不満につながりかねない…(中略)…今回のおかわり廃止を奇貨として、店舗への統率力強化とサービスの向上に乗り出すのは間違いなさそうだ。
※日経ビジネス 2012.4.30号 P16(日経ビジネスDigitalでも掲載)より一部引用
どの店でも同じサービスが受けられるという安心感を重視した、というのは理解できますが、あえて原田社長が記者会見を開いてまで「おかわり終了」を宣言したというのには少し驚きました。
おかわり無料サービスは、かなり多くの店舗で実施されていたサービスのようですね。加えて、サービス終了の情報がTwiterなどで駆け巡ったこともあり、影響が大きいと判断したからこそ、あえて原田社長が記者会見して公式に見解を伝えるに至ったと推測します。
おかわり無料サービスが、店舗の収益向上に寄与しているかどうか、本部としてはもちろん検討した上での決定だったことでしょう。もしプラスになると判断したのなら、逆に「おかわり無料を公式のサービスにする」という選択もあったはずです。
それとは別に、個人的に気になっていることは、今回の幕引きが「サービスの向上」に繋がっていくのかどうかという点。店舗独自のサービスを「アウト」と判定したことのマイナス面もあるのでは、ということです。
3年近く前のことですが、近所のマックで「ポテトの試食サービスがあった」ことを当ブログで紹介させていただきました。
マックのポテト「7分ルール」で廃棄処分となるはずのポテトを、廃棄する前にお客さまに試食サービスするというアイデア。まさに店舗独自のアイデアだったと思うのですが、こうした店舗オリジナルのサービスは勝手にやっちゃダメですよ、ということになる。これって、ちょっと残念だなと思うわけです。
もちろん店舗が勝手にサービス競争し始め、チェーンオペレーションが効かなくなることは避けなければならない。同じサービスが安定して供給されることのブランド価値を否定する気は毛頭ありません。かといって、「店舗は本部の指示通りにやればいい」では、従業員の士気も下がるでしょう。マニュアルを整備し、研修を徹底して、オペレーション通りに従業員が動き、どの店舗でも同じレベルの満足度を提供できるようにすることは、間違いなくサービスの強化だと思います。しかし、それは店舗毎オリジナルのサービスを否定することと表裏一体なのでしょうか。少なくともわたしは、「ポテトの試食サービス」に遭遇したら嬉しいし、他店舗でそれがなかったとしても、クレームは出しませんが。
はたしてどちらのサービスが正解なのでしょうか。そもそも二つのサービスは、二者択一なのでしょうか。一消費者としてのつたない疑問なのですが、みなさんのご意見を伺ってみたいところです。