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AMDのTrinityが発表されました。詳しくは以下の記事が詳しいと思います。

「Bulldozer“改”!」というPiledriverを導入した「Trinity」の実力を試す
「Trinity」アーキテクチャ徹底研究!! 第二世代のAMD AシリーズAPUを試す
AMDが発表した強力な新アーキテクチャAPU「Trinity」
AMDの第2世代A-Series APU「Trinity」,そのアーキテクチャを分析する
10分でわかる、AMDのTrinityがノートPC市場に与えるインパクト

TrinityはCPUをPiledriverに変更して、GPUをVLIW4に変更して大幅にモデルチェンジした形になっています。ここまで変更したため、ベンチ結果に一部大きな変更が出ています。

それが一番顕著にあがっているのが3DMark11等のゲーム周りの結果ではないかと思います。3DMark 11のベンチ結果を並べてみます。

CPU Performance Extreme
A10-4600M(Trinity) P1148 X369
A8-3520M(Llano) P830 X261
Core i7-3770K(Ivy Bridge) P765 X216
A8-3870K(Llano) P1882 X347

Core i7-3770KとA8-3870KはデスクトップCPUであることを加味するとTrinityのGPUの高性能化はすごいですね。というよりもCore i7-3770Kの内臓GPUはやはりまだまだ低いようですね。Trinityは最初はモバイルからスタート始めるため、デスクトップCPUと比較するのはフェアじゃないですが、内臓GPUはなかなか高速です。

CPU部分はPiledriverで高速化したとありますが、IPC向上は少しばかりのようです。Bulldozer自体が周波数を上げて高性能化する方向のCPUのため、周波数を上げづらいモバイルでは性能向上の頭打ちと言ったところなのでしょう。

現在のCPUはGPUを搭載するのが当然となってきました。モバイルではSoCで搭載していますし、PCもハイエンド以外は全て搭載してきています。

現在IntelのCPUに搭載しているGPUはまだまだ低い状況で、AMDは得意のGPUに差別化せざるを得ないところでしょう。

ただ、AMDもGPUの強化こそ出来ていますがCPUのほうはまだまだ改善する必要がありますし、AMDの目指しているAPUのゴールは2013年のKarveriであることは明白です。KarveriでGCNを搭載しようやくGPGPUをフルに活用する準備が整うでしょうし、CPUの浮動小数点演算を半減させたのはGPU部分を使用する予定でしょうから強力なGPUを搭載して最初のマイルストーン達成でしょう。

また、Trinityに薄型ノートPCにも対応してきました。IntelがUltrabookに力を入れていますが、今後は薄型ノートPCが増えると言われています。Appleは光学ドライブを廃止したMacbook Proをリリースするのではないかと噂が出ています。今後のノートPCはこのような薄いノートPCだけしか出ないのかも知れません。

このため、AMDとして対応は必須でしょうからTrinityで対応は至極当然です。もしかするとAppleに採用という話もあるかも知れませんね。

以前にも噂(AppleのAMD CPU採用の噂に関する考察)になっていて、出荷量がAppleの要望に耐えることができないから採用されなかったと言われています。GFのSOI 32nmの製造能力は良くなかったので仕方がないことですが、SOI 32nmも1年も製造しているのですからそろそろよくなってくるのではないかと思うのです。それならば、Apple採用もあっても面白いと思うのです。上であげたIvy BridgeとTrinityのGPUの性能差を考えると採用しても面白いと思うのですが。

Trinityは最初からトリプルディスプレイ可能です(Ivy Bridgeもそうですが)。このため、ディスプレイが安くなっている現状を考えると低コストでマルチディスプレイ対応できる環境が整うため、仕事ように案外向いているのではないかと思います。

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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