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エルピーダーが破算したときに"竹内健氏が語るエルピーダ倒産の原因"を読んで著者に興味が出てフォロー及び本書を購入することにしました。

NANDと言えば、東芝・SanDiskとSamsungの2強争いです。一時期大幅に減収もありましたが、SSDやスマートフォン、メディアタブレットの登場・普及のおかげでNANDの収益はあがっています。

著者はそのNANDの黎明期に東芝で開発に従事し、成功後にMBA(スタンフォード大学...スタンフォードを選んだのはアンディ・グローブ氏に習うためだとか。それはかなりすごいと思いました)取得し、帰ってきたらマーケティング(及び製品開発)を担当し、その後いろいろあって東大(2012.4から中央大学に移ったようです)の研究室を立ち上げた方です。

本書のApple評で、"決断がどこよりも早く、決めたら即、大量発注"とあります。インサイド・アップでもAppleでは責任の所在が明確で、問題があればすぐに個人に責任が背負わされるとあります。たぶん、責任と権限をワンセットなのでしょうから、このような速度が出るのでしょう。責任の所在が不明な体制ではスピードがでることはないのでしょう。

本書で"勝ち残るのは、見る前に跳んで、たくさん失敗した人"とあり、"Leap before you look"で物事を進め方針について論じています。失敗は経験であり、それを学ぶことでさらに前に進めれるのでしょう。ベンチャーなので、"構え、撃て、狙え"と同じ方針に見えます。経験したから分かることもあるでしょうし、あきらめず続けることが成功の要因とも言われているので、この精神は必要なのでしょう。

著者は東芝時代にマーケティングも行っていたようで、NANDの需要予測なども行っていたようです。日本のDRAMが凋落した理由の一つに市場予測を行うところがなかったとも言われています。DRAMの需要がメインフレームの超高品質分野から、PCのような手ごろな価格向けにシフトするときについていけなかったとか。変わりにSamsung等はうまくシフトして成功したとも言われています。

NANDはそういった意味では、MP3プレイヤー、携帯電話、スマートフォン、メディアタブレット、SSDと市場が大きくなっています。このようなことがSSDの黎明期に予想できたでしょうか。iPodの記憶デバイスがHDDからNANDに向かうとはiPod登場時期にどれほどの人達を思い描けたでしょうか。未来を思い描くことは大変難しいものですが、うまくスタート時期にキャッチアップできれば今後の成功も、その後低迷もないのですから。

著者は、技術者でスタートして、MBA取得後にマーケティングを、その後研究職に転向しています。そのときそのときに自分で決めて進んでいます。その転向に関して本書では詳しく説明しています。

現状を変えなければ生きていけないのは何も企業だけではありません。個人も同様です。その変わることに関しては、著者の経験が本書から学べるものになっています。

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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