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Lenovoからx86/ARM搭載ノートPCであるThinkPad X1 Hybridが発表されました。WindowsとカスタムAndroidが動くようです。このようなWindowsとAndroid両プラットフォームを正式にサポートする製品は初めてですが、成功するのでしょうか?

Intel/AMDはx86でAndroidを動かそうと取り組みを行っているため、近いうちにWindowsとAndroidの両方が動く正式な製品は出てくるでしょう(x86 Androidはすでにある程度は動いていますし)。ThinkPad X1 Hybridは、Androidが動くというよりも消費電力が少なくするARMチップ系で動かすメリットがあるような製品です。ハイパワーなWindowsと消費電力が少なくすむARM系Androidが動かすことが出来る製品になります。

2つのカテゴリのいいところ取りをした製品ですが、中途半端な製品は多くの失敗した歴史があります(成功できなかった例ではPowerBook Duoなど)。理由はいろいろとあると思いますが、コスト増と両者のデメリットもあわせもってしまうところでしょう。

ThinkPad X1 HybridはQualcommのチップを搭載するために300ドル上乗せされます。WindowsノートPCとして高価で、Android端末として重すぎるうえにAndroidマーケットも使えません。

このため、ThinkPad X1 Hybridは成功は難しいのではないかと思えてなりませんが、将来的にこのコンセプトは悪くないのではないかと思えてなりません。

ハードウェア的のコスト増になっているx86/ARM両方搭載問題は、もしかすると解決する可能性があります(かなり低そうな確率ですが)。IntelはARMチップの製造するが2011年から流れています。もし、Intelがx86/ARMハイブリッドCPUを製造したらどうなるでしょうか。ThinkPad X1 Hybridのコストは低下できます。

Windows 8でARM版がでるのも面白い結果になると思います。フルに仕事する場合はx86版Windows(どちらかと言えばこちらがサブ)で、サイトを見たり音楽や動画を見るときは簡易なARM版WindowsもしくはARM版Androidを活用して消費電力を減らします(起動時間も短くなると思う)。

Android端末として重い点に関しては、Androidの位置づけが変われば違ってくると思っています。

現在もっとも端末出荷台数の成長率が高いAndroidがPC市場に侵食しないとは思えません。ハードウェアの性能的にはARMのロードマップとx86のサポートでPCと遜色がなくなるでしょう。現在アプリの対応が悪いハードウェアキーボード(例えばGoogle日本語入力はハードウェアキーボードをサポートしていない)もASUSのEee Pad Transformer TF101やLenovoのIdeaTab S2-10の様なハードウェアキーボードを正式オプションとして使用できる環境が整えば、ビジネス向けアプリがハードウェアキーボードをサポートすることで少し重くてもクラムシェル型Androidも市場形成できると思います

将来的にThinkPad X1 Hybridが現時点の抱えているデメリットは解消している可能性があります。

そう思うと、ThinkPad X1 Hybridのコンセプトもありかなと思わなくもありません。もしかするとx86/ARM版Windows 8のデュアルブートとか出来る製品になるかも知れませんしね(これはかなり期待薄かな?)。

Androidマーケットをサポートしないことはかなり残念ですが、ThinkPad X1 Hybridを物理的に広い画面(解像度的にはもっと広いAndroidは発表されたので)を持つ本格的なクラムシェル型Androidと見ればそこそこ面白いと思います。NECのLifeTouchが失敗しましたがクラムシェル型Androidの潜在的な市場価値は高いと思っているので、LenovoにはThinkPad X1 Hybridシリーズを継続して欲しいものです。

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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