« 2011年10月3日

2011年10月4日の投稿

2011年10月8日 »

2011年のNPBのリーグ戦はパリーグのリーグ一位が決まりましたが、まだセリーグは混沌としています。その状況で、両リーグ2位につけている梨田監督とドラゴンズの落合監督が勇退を発表しています。両者とも名監督なのでとても残念です。有終の美を飾ってほしいと思うファンは多いと思いますが、果たしてNPBの監督最終年の成績はどうなのかと思って調べてみました。

古すぎるデータを持ってきても参考になりづらいと思い1981~2010年の30年間で13チームを調べました(全てWikipediaから)。101回監督の最終年があります(途中交代も含む)。

この中で、リーグ優勝、CS一位通過、プレーオフ制覇した監督はたった4人です。この数字は少なく見えますが、成績が悪化して契約延長されないもしくは途中で切られるケースもあるため数字の過多はあまり関係ないでしょう。

4人の監督は以下です。

ライオンズ 1985年:広岡監督
ライオンズ 1994年:森監督
タイガース 2003:星野監督
ファイターズ 2007年:ヒルマン監督

この4人の監督は全て日本シリーズを勝っていません。これは偶然でしょうか。

森監督は、最終年に延長しないことを明かされています。星野監督は続けないことを日本シリーズ前に明言していましたし、ヒルマン監督は日本シリーズ前にメジャーで次のチームの監督面接をしていました。広岡監督はすいません、良く知りません。Wikipediaを見ると病気(痛風)とフロントとの確執があったようで、監督のモチベーションは高くはなかったとの思われます。

最終年で日本シリーズ勝利できなかったことは監督の同行が、監督の精神状態(勝利への渇望)や、コーチ陣と選手のモチベーションに影響を与えているように思えます。

監督最終年であることをアナウンスされた影響は、何も日本シリーズ勝てないことだけでは無いと思います。私の浅い記憶では、2008年のゴールデンイーグルズの野村監督は翌年契約しないことが決まった後に、チーム初のCSにチャレンジできましたが途中で敗退してしまいました(あれは絶対に発表すべきではなかったと思う)。

2001年のジャイアンツの長島監督の最終年も、一位のスワローズが要の古田捕手が怪我でチームが低迷して追い上げているときに引退を表明後に、失速してついに捕まえることが出来ませんでした(これこそ発表すべきでなかった。発表しなければ追いついたと思う)。

また2011年のファイターズも梨田監督が勇退を発表した9/15以降の成績は2勝11敗と低迷して2位も危うい状況に陥りました。ドラゴンズはそうでもありませんが(スワローズファンとしてちょっと意外でしたが、ライバルが自滅するよりも接戦なるほうがリーグが盛り上 がるので悪い傾向とは思っていません)。

もっと例を上げればあるものかも知れませんが、監督の翌年契約を延長しないことをチームもしくは監督がアナウンスしてしまう悪影響はあると思います。

これはチーム運営を行う上でマイナスしかないのでしょう。

2011年でユニホームを脱ぐ2人の名監督に最後はすばらしい成績でゴールしてほしいと思うファンは多くいると思いますが、30年と短い期間のデータからはいい結果が出ていません。

このことを思うともう少し陣営側はうまくやることは出来ないものでしょうか。チーム運営は案外このような感情論は重要なのではないかと思ったりしています。人間はロボットではないのですから。

せめてNPBのチームには監督問題に関してはシーズン終了もしくはチームが敗退するまで発表は控えてほしいものです。もしくは監督とは契約を結ぶときにシーズン終了もしくは順位確定まで契約を切ること連絡しないもしくは勇退は発言しないと書いたほうがいいんじゃないと思うのです(早く知らせることで次の就職先を見つけやすいことにはなるため、早めの通知は監督のためにはいいことかも知れませんが...)。人の感情はそのまま成績に関与すると思います。

櫻吉 清(さくらきち きよし)

« 2011年10月3日

2011年10月4日の投稿

2011年10月8日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

櫻吉 清

櫻吉 清

IT業界ウオッチを趣味としている。知的好奇心の趣くままに何でもチャレンジして、とりあえず壁にぶつかってみる。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
kichi
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ