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TouchPadの売れ行き不振のニュースが流れたらすぐに、HPはwebOS端末の販売を中止を決めました。Palmの買収が2010.7で、製品が3種類(Veer,Pre 3,TouchPad)だけ出して終了してしまいました。TouchPadを販売したのは2011.7.1だったため、1四半期も待つこともしないで結論を下した結果になります。

HPは以前にPDA(200LX等)を作っていたメーカ(買収したCompaqもPDA類は割と得意なほうでした)であることとwebOSは革新的だと思っていたので、ある程度シェアを奪うことができると思っていました。

ですが、あまりにも早い撤退にいろいろと考えさせられます。

確かに、TouchPadの苦戦はあまりにも目が当てられません。ですが、Androidのスタートもそれほど好調だったとは思えません。ですが、採用メーカが増えていることとアプリが増えたため今の地位を確保できました。販売して1四半期も経たずに撤退はあまりにも早計です(作りすぎたのは販売予測が甘すぎる)。

作りすぎはメディアタブレットが売れている幻想もあったでしょう。現在のメディアタブレットの売れ行きはiPadが多く担っていると言われています。このため、TouchPadの苦戦も仕方ないと思います(私はiPadのサイズは大きすぎると思っているので、iPadが売れているのも理解できない)。

今回の事でAppleのまねが出来るメーカが多くないことの証拠になりました。

そのAppleでもApple TVをAppleの基準での成功まで持っていけていません。ですが、未だにギブアップしていません。ですが、HPは1四半期も辛抱できなかったのはなぜでしょうか?

よく言われるのは四半期毎に結果を求められてしまい、短期的な効果が見えやすいリストラや不採算部門の切り離しを選択(取締役会から指示される)せざるを得なくなり、長期的ビジョン行動できないところから来ているのかも知れません。

Apple等の強力なCEOがいるメーカや創業者がトップにいる企業は、そのあたりの風当たりが強くないのか不採算部門をすぐに切り離しされません(GoogleもLabを閉鎖したあたりは、難しくなってきているのでしょうね)。

HPの早計な計画の撤退と無謀な製造計画は、今後よき教訓になりそうです。Appleのまねは誰にでも出来ないのだと。

ただ、webOS自体の開発は止めないそうなので少しホットしていますが、ハードの当てが無い状況でOS・プラットフォームが延命できるか難しいところです。webOSを他社にライセンスを提供しても、現在のiOS以外のスマートフォンOS競争(Androdi vs Windows Phone)にwebOSが割って入れるとは思えません。

webOSのプラットフォームを広げようと思えば、オープンソースで公開するか売却の選択がいいでのはないでしょうか。現状売却(特許がらみ)はそれほど成功するとは思えませんが、ハード撤退をここまで早急に決断した首脳陣ならば売却のほうが選択されそうな気がします。また、オープンソースで公開しても屋台骨を支えるメーカがいなければ、成功するとは思えませんが。

現在TouchPadは投売り(HPとBestBuyのオンラインショップでTouchPadが99.99ドルに)されているようで、ほしいなぁと思いますが...

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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