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"Gartner Says Worldwide PC Shipments in First Quarter of 2011 Suffer First Year-Over-Year Decline in Six Quarters"でGartnerから1Q'11のPC出荷台数が発表されました。1Q'04からの4大 PCメーカのシェアの推移と前年同期比のグラフ化しました。

■PC出荷台数シェア(1Q'04 - 1Q'11)

■PC出荷台数前年同期比(1Q'05 - 1Q'11)

1Q'11のPCの出荷台数はm前年同期比でマイナスになりました。これはそうとうな事件です。PC出荷台数前年同期比がマイナスになったのは、1Q'05~1Q'11の期間でたった3回です。そのうち2回は、1Q'09~2Q'09で、この期間は不況の真っ只中でマイナス成長も仕方が無い一面がありました。ですが、今回はそうではありません(世界でも裕福な部類に所属する極東の島国において経済活動が停滞する災害がありましたが)。

Gartnerの記事では、PCへの需要が弱いと記載されていますが、私の見解は違います。
・Intelのチップセット問題
・1Q'10が不況を脱しため大幅に出荷台数が伸びたため

Intelのチップセット問題は、"“Intel 6”に欠陥――アキバに与える影響は?"で影響力が大きかったことが伺えます。このため、1Q'11のPCの出荷台数が大きく減ったのではないかと思われます。ただし、その影響は2四半期も続きませんし、通年で見ればその影響度は低いと考えています。この考えがあたれば、2Q'11で回復する可能性があります。

こればかりはIntelのCPUのシェアが大きいため、PCメーカが対応策があるわけではありません。

その中でもLenovoは好調です。Totalよりも大幅に超えた前年同期比の結果が出ています。Toshibaも好調であることを考えるとノートPCの需要は高いのではないかと思われます。

1Q'11のデータを見て大胆な予想をしてみます。4Q'11で4位のLenovoは3位のDellの抜くでしょう。

LenovoとDellの季節要因によるシェアの増減はあります。得意な地域が違うためです。2010年1Qの出荷台数を100とした場合の両社の四半期毎の割合は以下になります。

Q Lenovo Dell
1Q'10 100 100
1Q'10 119 101
1Q'10 131 106
1Q'10 136 106

Lenovoは季節的要因によってシェアが増減の幅が大きい傾向があります。これに1Q'11の出荷台数を入れた場合の2011年の出荷台数を予想してみます。単位は万台です。

Q Lenovo Dell
1Q'11 813 998
1Q'11 969 1,006
1Q'11 1,066 1,058
1Q'11 1,106 1,056

3Q'11からLenovoは逆転します。当然2010年のデータで予想するには根拠として強くはありません。ですが、2008~2009年までは不況のため通常の年の四半期毎の特徴が見えません。また、2006年にはDellが大幅にシェアを減らした特殊な年のため、データとしては役には立ちません。また、近年のLenovoの好調から昔のデータを参考にしすぎると見誤ります。

このため、データ的裏づけは弱いですが2010年の季節的傾向を参考にするとLenovoは2HからDellを逆転する可能性があります。データのばらつきとLenovoの好調から4Q'11には逆転する可能性が非常に高いと考えてもそれほどおかしな推測ではありません。

ついでにLenovoは一番不得手な四半期は1Qです。これは得意な中国市場が旧正月があるからでしょうか。

ノートPCの需要は衰えない傾向を見せているため、今まで5位のToshibaを無視してグラフを作っていたのですが、そろそろ登場させた状態でグラフ化したほうが良さそうなきがしてきました。

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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