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Gartnerからスマートフォンの出荷台数及びスマートフォンOSのシェアの推移の予測が発表されました。スマートフォンの出荷台数は、2011年:4.68億台、2012年:6.30億台、2015年:11.04億台になると予想を発表しました。

"2011年PC出荷台数予想はかなり厳しい"に2011年のスマートフォンの出荷台数は4.5億台を予想していましたが、大体そのぐらにはなりそうです。

Gartnerから出荷台数予想が公開されたので、2010年までは公開しているデータを、2011年以降は発表している予想でPC、スマートフォン、メディアタブレットの集荷台数とスマートフォンOSシェアのグラフを作ってみました。

■PC/スマートフォン/メディアタブレット出荷台数予測

■スマートフォンOSシェア

(出展:Gartner)

PCとスマートフォンの出荷台数が、2012年にこれほど差が開くかわかりません。2011年は両者の差はこの程度かもしくはもう少し開くと考えています。ですが、スマートフォンの出荷台数をストップさせる要因もあります。それはNokiaのWindows Phone採用の発表です。現時点ではWindows Phoneの出荷開始時期はアナウンスされていないため、将来性がないSymbianのスマートフォンは出荷台数を大幅に減らすでしょう。

この減少分をAndroidがカバーできれば、スマートフォンの出荷台数は予想通り伸びると思われますが、もしメーカー名指し(Nokia)で購入しているユーザが買い控えた場合、予想よりも下回る可能性があります。

旧Nokiaユーザの私の予想としては、出荷台数が伸びないシナリオの発動の確率は高くないと思ってはいますが、この感覚が一般的な市場と同じかどうか分かりません。特に私は欧州の事情に関して疎いため、私の予想とはかけ離れる可能性があります。ただし、Nokiaの件がなければ、2011年5.0億台の可能性も十分にあると考えていたため、最悪のケースでもGartner予想程度は出荷されると予想されます。

2012年でここまでPCとスマートフォンの差が広がるかは、現時点では予想しづらいものがあります。6億台と言う数字は2010年のスマートフォン出荷台数(2.9億台)の2倍以上です。2年で倍とはムーアの法則並の伸び率です。これが市場の立ち上がり時ならばいざ知らず、1億台以上の出荷台数を誇る製品群の伸び率であることを考えると相当な勢いがあることを示しています。

2012年にはCortex-A15を搭載した製品が出てきます。このCPUの性能とライトなOSを組み合わされれば、モトローラーのスマートフォン&ノートPCのデュアル形態タイプが実用レベルに達すると予想されます。もしこのような製品が成功すれば、2012年の6億台は決して達成できない数字ではありません。さらに言えば、この様な製品によりPCの出荷台数は大幅に減る可能性があります。

もしくは、スマートフォンが廉価な市場でも猛威をふるうことで6億台の達成できる可能性もあります。ハイエンド及びローエンドへの拡張することで、スマートフォンの出荷台数は継続的な成長する可能性があります。。

スマートフォンOSシェアとして2015年にはWindows Phone系が市場2位になると予想していますが、これはMicrosoftとNokiaの提携からきているのでしょう。現時点(2011.4)では日本ではWindows Phoneが登場していないため、Windows Phoneの魅力がそこまであるのかわかりません。

Windows/XBox/Windows Phone/Windows Server等のMicrosoftの製品群のシームレスに連携ができればWindows Phoneは成功は固いでしょう。

ですが、現時点では達成できるかわかりません。今までのWindows Phoneの開発の遅れや、ARM版Windows登場によるメディアタブレットカテゴリの欠落を考えるエコシステム全体の魅力がライバル以上とは断定できません。Gartnerの2015年のWindows Phone系のシェアの予想は私は外れるほうに賭けたいと思います(今後の製品によってこの予想は変わるため、2011.4の時点での私は考えです)。

OtherのWebOSも気になりますが、現時点ではHPの戦略が明確でないためシェアを予想することはできません。台風の目になって欲しいと願っていますが、こればかり具体的な製品が出揃わないかぎりわかりませんし、数世代製品が出てこないと明確なビジョンが見えてこないため、WebOSの将来を予想することはできません。このため、WebOSがOtherから脱出できるのは、Symbianの崩壊後だと予想することしか出来ません。

Gartnerの2011年のスマートフォン関連の予想は大体達成されると思います。2012年に関しては、ここまでスマートフォンが出荷されるのかわかりません。逆言えば、スマートフォンはいつまで高い成長率を維持するのでしょうか。さすがに世界人口よりも多くなる可能性はないと思いますが...

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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