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バルセロナで行われる携帯電話の祭典(スマートフォンとメディアタブレットの祭典?いや、Androidの祭典?)であるMobile World Congress 2011が行われました。多くのニュースと斬新な製品が発表されたので、感想を書いてみます。ただし、既に書いた"ARM陣営がにぎやかに見えるが..."と"NokiaとHPの選択の違い"はそちらを見てください。また、ITmediaさんがニュース一覧が"Mobile World Congress 2011 Report"にまとまっています。

■Sony Ericsson

だだ漏れマーケティングで発売が周知の事実で残すところ公式アナウンス待ち状態だったプレステ携帯電話であるXperia PLAYがようやく正式に発表されました。もっと早く出してもよかったのではないかとさえ思われましたし、NGPに携帯電話機能をつけたほうがもっとわくわくするような気もしなくもありません。販売されればどの程度売り上げを伸ばすのか興味深いです。

それよりも私は、キーボードが付いたXperia proの方がより欲しいと思っています。Xperia Proは、今回発表された中では私が最も欲しい機種ですが、前機種も日本には上陸しなかったので、今回もどうなるか微妙です。こないかな...

■Samsung

GALAXY Tab 10.1GALAXY S IIを発表しています。GALAXY Tabは売れているとかいないとか言われていますが、Android 3.0「Honeycomb」を搭載したタブレットは売れていないと考えている派には、再度評価すべきだと思います。

各製品んが順調な形でのupdateでしょうか。

また、Android搭載のメディアプレーヤー「GALAXY S WiFi 4.0」も発表されました。Android版iPod touchっと言ったところでしょう。日本ではこのような製品がなかったため登場すると面白いと思います。ただし、Android 2.2なのが気になりますが。

■LG

Optimus 3Dでデュアルコア&3Dを実現しています。面白い製品だと思いますが、どの程度バッテリーが持つのでしょうか。スペック自慢をしてしまうと、携帯電話の意味が少しなくなってしまいます。スマートフォンで一番重要な機能は電話できることではないため良いかもしれませんが。

メディアタブレットのOptimus Padも面白いかも知れませんね。ほんとAndroidは増えましたね。

■HTC

HTCからユニークなHTC Chachaが発表されました。キーボード付です。最近はキーボード付きはスライド式が多いため、このようなストレート式は少なくなりました。私はNokia E61ユーザのため、ちょっと惹かれます。

日本で発売されるならば、一度は見てみたいですね。ただし、画面が小さいのは少し辛いかも知れません。

■Microsoft

Nokiaとの提携は大きなニュースでしたが、Internet Explorer 9 MobileがWindows Phone 7に入るのは良いことだと思いますし、Kinect機能が入るのはすごく良いことだとおもいます。Kinectは、Microsoftの製品にしては、多くの人にハックされ面白い製品です。

■MeeGoの行方

Nokiaにふられてしまい今後どうなる心配なMeeGoですが、Intelはまだまだやる気です。Intelがどの程度やる気かと言えば、2010年末にAMDも仲間に加えたほどです。逆に言えば、IntelのライバルはAMDでないと明言しています(Core 2 Duo発表以降そんな感じですね)。

では、Intelの敵とはどこなのでしょうか。以前はSamsungと言われていました(だからメモリ規格への対向やNANDへ進出したのでしょう)。今はARM陣営ではなく、明確にNVIDIAと言っているように思えます。ARM陣営のTIやST-EricssonもMeeGo陣営に入っているためARM全体を敵だと思っていないでしょう。

NVIDIAは相当なやり手だと思います。やり手の例としては"Honeycombタブレット市場を席巻したNVIDI"で以下のような記載があります。

" 「GoogleはAndroid 3.0の開発をTegra 2をリファレンスプラットフォームにして開発を進めてきた。"

各社で似たような製品を出す場合は、どこかがリファレンスを受け持つものです。ある程度の持ち出しや技術提供などを行うかも知れませんが、リファレンスを受け持つとロケットスタートがきれます。NVIDIAはARMを製造してせいぜい2世代目で、QualcommやTIの方が実績が大きいように思えますが、そういったライバルを押しのけることができるのがNVIDIAのすごいところです。

NVIDIAはTegraでスマートフォン、メディアタブレットでシェアを大きくとることになるでしょう。特にGPUが強力なためゲーム向きのプラットフォームに受ける可能性があります。これは、NGPや3DS等の専用ゲームコンソールよりもiPod touchやAndroidのライトな方が受ける可能性も示唆しています。

この勢いをARM版Windowsの登場でさらに活発にさせると、PC市場にも進出される可能性があり、Intelと直接ぶつかる可能性が非常に高くなりました。また、NVIDIAはHPC分野にも進出し、Intelと既にぶつかっている市場も存在します。

Intelはこの勢いを止めたいはずです。このため、Knights Cornerの開発やコントロールできるMeeGoに注力したいのではないかと思われます。

このため、Nokiaが降りてもMeeGoを続けたいのでしょう。ただし、NokiaがMeeGoを降りた理由の一つに進歩のスピードが遅いことを上げています。組み込み向けだけならばそれでもかまわないのですが、動きが早いスマートフォン・メディアタブレット市場でのこの速度差は致命的です。MeeGoを続けるのはIntelにとっては必要なことだと思いますが、やり方を変えないといけないと思います。

■まとめ

Mobile World Congressを見るといつもため息が出ます。理由は、ここで発表されても日本で発売されないためです。日本は携帯電話市場は回線速度と品質は良いと言われていますが、端末の選択に関してはあまりいい地域ではありません(ソフトバンクの導入は早く、多いですが)。

世界ではこんなにも多様なスマートフォン・メディアタブレットが販売されているにもです。

最近はSamsung、LG、HTCのスマートフォンがすぐに導入される傾向が高まりましたが、そろそろワールドワイドで端末導入を検討してほしいものです(導入して売れなかったら、それはそれで大変なのでしょうが...)。

出来ればWebOS系端末をぜひとも導入してほしいです。無理かな。せめてXperia proあたりを。

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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