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電子書籍リーダーが2010年には660万台出荷される記事を読んで、目を疑いました。

"そんなに売れていない"のかと。

例えば、競合すると言われているメディアタブレットやスマートフォンと比較してみましょう。同じGartnerが発表及び予測しているデータを下にグラフにしてみました。

ハードカバーの新書よりも電子書籍リーダーの方が持ち運びに便利ですし、購入も容易です。"新型Kindle、既に2009年年末商戦の売り上げ超える"の記事も説得力があったため、電子書籍リーダーはもっと売れていると思っていました。

ですが、Gartnerが公開しているデータは電子書籍リーダーの市場が小さいのか、それとも他のガジェットの方が優勢なのかと思わざるを得ません。

確かに汎用的なスマートフォン&メディアタブレットの出荷台数がそのままそのデバイスの電子書籍ビューアー数ではないでしょう。ですが、数がそのまま潜在的な電子書籍ビューアー数にはなります。ただし、読む対象(漫画、小説、辞書等のカテゴリ)によってはスマートフォンのような小さいデバイスには無理かも知れませんが。

ですが、軽いメディアタブレット(DellのStreak)クラスが普及したら電子書籍リーダーは一定の地位を保つことができるのでしょうか。

E Inkのディスプレイの省電力に関してはメリットと言う場合がありますが、私にはとてもそうは思いません。携帯電話などは毎日充電する習慣にすることはそれほど難しくありません。また、電子書籍リーダーを24時間フルには使用しないでしょうから、実質3~4時間も持てば多くの人が1日で使用できる時間を網羅できるでしょう。駆動時間をうりにするには難しいと思います(それを必要としている人はいるとは思いますが)。軽さと価格に関しては、よっぽど(Gartnerの予想程度)他のデバイスと差がない限り売りすることはできません。

日本の電子書籍は2010年が元年っぽいですが、ようやく年末にスタートする程度のスピード感のため、ロケットスタートができるのかわかりません。

私は、心底早く電子書籍が普及してほしいと思っています。電車の中で本を読んでいますが、はずれの本を引いたときにその場でチェンジもできませんし(他の荷物もあるし)、遅くに帰る時等は発売日に購入することはできません。電車の中で読むには厚すぎる本も読みづらくて嫌いです。

ですが、ハードに魅力があれば鶏卵理論によってはもしかすると普及するのではないかと淡い期待をしていましたが、現在もっとも普及しているE Ink系電子書籍リーダーはそこまで魅力がなさそうです。

早くほとんどの新書をカバーする電子書籍ストアーとそれにマッチした電子書籍ビューアーが出てこないかな。新書カバー率が80%あれば少し使い勝手が悪くても買いますから。

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櫻吉 清(さくらきち きよし)

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