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Gartnerが2010年のPC出荷台数を3.52億台と下方修正しました("Gartner Says Worldwide PC Shipments to Grow 14 Percent in 2010")。

Gartnerは2010年のPC出荷台数予測を何度か公開しています。

・3.661億台(Mar 4)
・3.766億台(May 26)   
・3.678億台(Aug 31)
・3.524億台(Nov 29)

2009年のPC出荷台数が3.083億台でした。2010年は前半の調子から前年比20%オーバーを予想されていましたが、ゆっくりと下方修正してきました。PC出荷台数にブレーキをかけているのはiPad等のメディアタブレットやスマートフォンです。

メディアを消費するだけならば、PCよりもメディアタブレットやスマートフォンで十分な場合があります。PCでしかできないことがどんどん少なくなるのではないでしょうか。特に向こう側でメディアを置くケースが増えていることを考えると案外もっと早くPCの出荷台数は減少傾向になるのではないでしょうか。

ついでに、2009年の最後のPC出荷台数予測("Gartner Says Worldwide PC Shipments to Grow 2.8 Percent in 2009, but PC Revenue to Decline 11 Percent")は2.989億台と予想しています。最後の1ヶ月は最も売れる月でもあるため、なかなか難しいと思います。

さらについでに、そのときに2010年の予測は3.366億台と見積もっています。2010年は上半期は不況から急激に立ち上がったため、予測が大幅に外れるのは仕方ないがことです(そこまで予想ができるならばPC等の出荷台数予測ではなく他の事を予想すべきだ)。特にメディアタブレットがまだ噂話しかない時期に予想することは実質不可能です。

1Q~3Q'10のPC出荷台数は2.555億台です。このままではぎりぎり1四半期で1億台の大台には到達しないことになります。私も若干無理だと思います。1億台の突破は3Q'11まで持ち越しのようで、ちょっと残念です(Gartnerは最終的なデータは変更するので、1億台の大台の可能性はないとは言えませんが...)。

また2011年のPC出荷台数を4.09億台と予想しています。この数字を見たときに驚きました。この数字は、スマートフォンの2011年の出荷台数予測である4.13億台より低い数字になっています。"スマートフォンの出荷台数はいつPCを抜くのか"に2011年のPCの出荷台数は4.12億台と予想し、スマートフォンに2011年に抜かれると予想を公開しましたが、Gartnerの予測も同様になってきました(みんなの意見は案外正しいみたいな感じもしなくもありません)。

そこで2010/2011年のPC出荷台数をGartnerの予想で更新し、2012年のPCは過去伸び率の平均を、スマートフォンは2009~2010年の平均的な伸びでグラフを作成しなおしました。

前回線グラフでは逆転している時期が見えなかったため棒グラフに変更しました。2012年のスマートフォンの出荷台数はあれ?と思えてしまうほど伸びているので微妙ですが2011年までに絞れば、それっぽい感じだがします。

自分で書いておきながら2011年にPCの出荷台数はスマートフォンに抜かれる予想はあたるかどうかぎりぎりだと考えていたのですが、案外的外れでなそうです。

【出荷台数】
スマートフォンの出荷台数はいつPCを抜くのか
スマートフォン市場(3Q'10)~前年同期比90%以上の増加~
メディアタブレットの繁栄とネットブックの衰退
PC出荷台数(3Q'10)

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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