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モルガン・スタンレーのMary Meeker曰く「2年後にはスマートフォンの出荷台数がPCを上回る」」に2012年にスマートフォンの出荷台数は、PCを抜くと言う記事を見て本当にそうだろうか疑問に思いました。

そこで、私がいつも見ているGartnerが公開しているデータを元に考えてみます。

まずは、Gartnerが現在公開しているスマートフォン及びPCの年毎の出荷台数データは以下になります。ついでにメディアタブレットも追加します。数字は億台です。

*が付いているデータは、予想値です。PCの2011年、2012年及びスマートフォンの2012年に関しては出荷台数予想は公開されていません(見つけられませんでした)。

このデータだけではいつ出荷台数がスマートフォンがPCを超えるのか分かりません。そこで、勝手に予測を追加してみます。

PCはおおむね前年から11.9%前後増えています。このため、同じペースで2012年まで増えると仮定します。スマートフォンは、2009~2011年までの伸び率(55.0%増)を使って2012年を予想します。

PCの2011年の出荷台数が3.68億台の1.19%増(4.12億台)ならば、スマートフォンの4.13億台にぎりぎり抜かれることになります。

ここでPC出荷台数の成長率が辛すぎるのではないかと言う考えもあるかと思います。

2010年のPC出荷台数の伸び率は19%増になりそうです。この数字自体は、2004年以降からもっとも伸びた数字になります。同じ程度2011年も増加すればPCはスマートフォンに抜かれないと考えることもできます。

ですがそうはならないでしょう。理由は、2008年末~2009年上半期において不況の影響でPCの出荷台数は大幅に減少しました。このため、前年比で比べると2010年は非常に好調な年に見えます。

さらに、3Q'10のデータで芳しくないデータが出ています。「PC出荷台数(3Q'10)」に書きましたが、3.68億台はぎりぎり厳しいです。メディアタブレットの登場により出荷台数が見込めるネットブックへの影響が出たためでしょう。特に、メディアタブレットはAndroid版(docomo 2010 Winter Collection Preview Eventに行ってきました~GALAXY Tabほしくなった~)も出荷され始めるため、さらにネットブックは売れなくなりPCの出荷台数は伸びにブレーキがかかると思われます。

スマートフォンは逆に好調です。「スマートフォン市場(3Q'10)~前年同期比90%以上の増加~」に書きましたが、1Q~3Q'10の出荷台数は1.96億台です。3Q'10で0.8億台も売れたため、4Q'10にはさらに売れるでしょう。私は1億台の可能性があるかと考えたのですが、それはちょっと先走りすぎたように思えます。

3Q'10が96%増だったのは、3Q'09の伸び(12%増...これは過去11四半期で下から3番目の数字)が悪かったためでもあるでしょう。このため、通常の4Q'09~3Q'10までの平均的な伸び(59%増)ならば、4Q'10の出荷台数は0.85億台(もう少し上に行きそうな気もしますが)となります。この数字ならば、2010年の出荷台数は、2.82億台となります。

低く見積もっても2010年のスマートフォンの出荷台数は、予想(2.69億台)を超えるでしょう。

Gartnerの数字からPCはより不調に、スマートフォンはより好調なデータが3Q'10に出ています。2010年でさらに差が縮まっていることと過去の成長率を考えると僅差ではなくあっさり2011年で両者の出荷台数は逆転するのではないかと思われます。

では、いつの四半期で逆転するかは早くて2Q'11、遅くて3Q'11ではないかと思われます。また、調査会社によって微妙にデータ(特にスマートフォンのカウントが結構違うように思える)が違うため、必ずしも2011年に逆転したデータにならないかも知れませんが。

【出荷台数関係】
スマートフォン市場(3Q'10)~前年同期比90%以上の増加~
メディアタブレットの繁栄とネットブックの衰退
PC出荷台数(3Q'10)
PC・サーバ・携帯電話の出荷台数推移(2Q'10)~順調に回復中~
・2H'10のPC出荷台数は失速?

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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