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3年後のプロセッサをアームが公開、8コア品でサーバ用途も狙う

ARMの次世代汎用プロセッサコアCortex-A15に関して説明を聞いていて、将来的にはARMはどこにいくのか考えさせられました。

ARMは、iPhone/iPadやAndroidにも採用されています。また、MicrosoftがARMのライセンスを契約したり、AppleがARM系チップを製造(設計?)したりもしています。また、NVIDIAがx86(これはいろいろな意味でできないんですが)ではなく、ARMを採用したTegraを作っていますし、QualcommのSnapdragonも有名です。また、ARMチップをサーバにも転用しようとしています。

Cortex-A15のファウンダリーがIBM、GlobalFoundries(GF)、SamsungのIBM系(TSMCからGFがメイン?)になっています。QualcommもGFを採用したため、ARMはGFをメインにしたいのでしょうか。

この様な状況でさらに高性能なCortex-A15を発表しています。性能自体は現状のシングルコアのCortex-A8の4倍、2010年のデュアルコアのCortex-A9の3倍、2011年のデュアルコアCortex-A9の2倍ぐらいが、2013年以降のデュアルコアCortext-A15で達成するようです。

たぶんですが、Cortex-A8はauのIS03クラスを、2010年のデュアルコアのCortex-A9は、東芝のdynabook AZクラスを指しているのではないかと思います。

ムーアの法則並(2年に2倍)にARMも速くなるわけです。Cortex-A15は64bit化はしていませんが、メモリこそ32bit超えを果たし8コア以上を目指すのは面白い状況だと思います。スマートフォンやメディアタブレットに8コアはオーバースペックでしょうから、8コアクラスはサーバ向けでしょう。

省電力CPUの代名詞の一つであるAtomは、メーカ側こそサーバを製造していますが、IntelはAtomをサーバとして利用を促進していません。Intelが拒否している理由はXeonの分野に安すぎるAtomが登場してもらっては困るためです。

ですが、Cortex-A15クラスならばAtomと違ってメモリも大量に載せることできそうですし、CPU製造側もサーバにプッシュしています。ARMのサーバは作業次第で十分にローエンド・省電力サーバ市場に食い込めるのではないかと思われます。

現状そのような市場は大きくはありません(Atomサーバの市場)が、将来的に成長しないと言えるでしょうか?

ネットブックが登場するまで安価&ロースペックな市場が存在することが分かっていた人はいたでしょうか?iPadが登場までメディアタブレットの市場がここまで盛り上がると想像できた人はいたでしょうか?

ARM系が目指すローエンドサーバ市場が将来的に存在しないと断定できる要素はあるでしょうか?

このため、ARM系がCotext-A15でハイエンドモバイルとウルトラローエンドサーバ市場に進出して、大きな飛躍をしてもおかしくはないと考えています。ただし、64bit化は必須のような気がしますし、IntelはIT業界のトップクラスの獰猛なタイプなためARM搭載サーバの実現できそうになると攻撃的な行動をとるでしょうから、ARMサーバの目がどの程度残るかはわかりませんが。

【ARM&サーバ】
NVIDIAのメディアタブレット戦略
ARMのサーバの可能性
OracleのSPARC ロードマップの感想
MicrosoftもARMに投資?

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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