« 2010年5月14日

2010年5月17日の投稿

2010年5月18日 »

スタンフォード大学でアントレプレナーシップ等の人気の講座を担当しているティナ・シーリング氏の集中講義で行った本です。結構面白かったので、いつもの様に感想を。

ある学生に起業に関して課題を渡して1週間後に、その学生から「できないことなんてない、ということがわかった」の言葉が返ってきたのはかなり斬新でした。"できない"と考えることは少なくありません。ですが、視点を変えたりすることでかなりのことができるようになるものだそうです。

Googleの共同創業者のラリー・ペイジ氏は講演の中で"できないことなどない、と呑んでかかることで、決まりきった枠からはみ出よう"と言っています。このあたりは常識と呼ばれるルール(もしくは足かせ)に縛られるためでしょう。この足かせをはずすことから始めるの良いようです。

また、"自分が得意なことはこれだと決め手かかるタイプの人は、得意なことを増やし、成長していこうという人にくらべて、長い目でみても成功する確率がかなり低くなる"と言うちょっと面白い考え方(もしくは統計データ)もあるそうです。

これは、得意なことは低コスト&リスクで作業ができるように見えるからでしょう。

例えば、私はJavascriptがある程度書けるため、HTML取得及び解析するのによく使用します。"Web Storageを使ってみた(Chrome拡張)"等がそれに該当します。しかし、JavascriptでHTMLを取得するのは、速度と条件(Chrome拡張で取得なんて、足かせが多すぎる)の面において最も効率的なプラットフォームとはとても思えません。このため、自分が得意としていることをとりあえず止めることも行う必要があるでしょう。

"ルールは破るためにある"、"許可を求めるな、許しを請え"、"人間は二つのタイプに分かれることがわかっています。自分のやりたいことを誰かに許可されるのを待っている人達と、自分自身で許可する人たちです"等、本書では何度もルールに縛られることを薦めています。ここまで何度も同じことを書かなくてもと思いますが、それぐらい人は、既存のルールに無意識に縛られているのでしょう。

このあたりがアントレプレナーシップを築くためにに最初に行わないといけないこと事なのかも知れません。

一番面白かったのは、デビッド・ロスコフ氏の逸話です。ロスコフ氏が、ヘンリー・キッシンジャー氏を講演に呼ぼうとしましたが、高額な講演料と条件を向こうから伝えられました。その時ロスコフ氏にはとてもその条件をクリアするほどのものはなかったのですが、とりあえず承諾します。

その後、キッシンジャー氏が講演の目玉であることをアピールして、スポンサーや他の講演者を集めて最終的にキッシンジャー氏の講演料を払うことができるようになったそうです。常識的には資金を集めてからキッシンジャー氏を呼ぶのが真っ当な方法です。ですが、講演の目玉をとりあえず決めて資金や他の講演者を集める方法はある意味リスクがありすぎるかも知れませんが。

ですが、ゴールさえすれば途中の実現方法は何でも良いわけです(若干リスクが高すぎますが)。このあたりの考え方のチェンジの仕方が常識を無視したやり方でしょう。

"20歳のときに知っておきたかったことスタンフォード大学集中講義"で説いている内容は、20歳オーバーになっても知っておく必要はあると思います。一番重要なのは、ルール(もしくは常識)を破ることは決して悪いことではないと言うことです。

【読書関係】
HTML5&API 入門の感想
電子書籍の衝撃の感想
あなたの潜在能力を引き出す20の原則と54の名言の感想

櫻吉 清(さくらきち きよし)

« 2010年5月14日

2010年5月17日の投稿

2010年5月18日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

櫻吉 清

櫻吉 清

IT業界ウオッチを趣味としている。知的好奇心の趣くままに何でもチャレンジして、とりあえず壁にぶつかってみる。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
kichi
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ