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2010年のPC市場、モバイル好調で20%の成長」にある通りGartnerは、2010年のPC出荷台数は過去数年内で最も高い成長率を誇ると予想しています。

Gartnerは、毎年1月に前年のPC出荷台数を発表(前年は速報値の用で翌年には変更される事がある)し、3月にその年のPC出荷台数の予測を発表しています。

そこで、Gartnerの過去の3月予測の結果を調べてみました。

■GartnerのPC出荷台数予測(2004~2010)

■Gartnerの前年比の予測値と実測値比較(2004~2010)

GartnerのPC出荷台数予測グラフには、実測とGartnerの予測と2008年以降を前年10%増のケースをグラフ化しました。

過去のデータからGartnerの予測が大きくちがったのは2009年ぐらいですが、その年のPC出荷台数の予測は相当難しいと思われます。1H'09は不景気の影響をもろにかぶりましましたが、2H'09は一転してネットブックやスマートノート等の安価なノートPC の登場で出荷台数が伸ばし最終的には前年比でプラス成長になりました(出荷台数に限れば)。

このため、不景気の真っ只中(底に近いところ)でその年のPC出荷台数を予測した結果が大きくハズレても不思議ではありません。逆に2009年の3月の時点で2009年のPC出荷台数を正しく予想できる人間が居たとは到底思えません。

このため2009年は例外的な年だと考えればGartnerの予測は悪くない結果を出していると思われます。

2010年の20%増の予測も案外的を得ていると思われます。例えば2008~2010年が不景気にならず10%程度成長をし続けると2010年のPC出荷台数は 36,000万台(27,200万台x1.1^3=36,2000万台)に到達します。経済の復元力/反発力と呼ばれるものがあり2008~2009年の不景気分を2010年で盛り返すことが出来るならば、36,000万台の到達も無理な数字ではないと思います。

また、私にはPCの定義次第でこの数字は軽く突破するのではないかと予測しています。

Gartnerの発表の中でタブレット型が1,000万台を超えると予想しています。タブレット型と言えば、2010/4から出荷されるAppleのiPadが注目されています。

そのiPadのライバルとも言えるHPのスレートですが、Windows 7が搭載されるようです。これはPCの範疇に入ると思われます。

HPのスレートがPCならば、iPadもPCのカテゴリに入れてもいいのではないかと思いませんか。iPadは、iWorkが動くのですからキーボードとマウス(マウスってつけられるの?)をつければ仕事が出来ます(効率は悪そうですが...)。

さすがにAmazonのKindleは汎用性がないためPCにはならないと思いますが、DellのAndroidタブレットであるStreakは、PCなのでしょうか?

また、2010年の末に発売予定のGoogle Chrome OSを搭載したARM系のスマートブックはGoogleドキュメントさえ使用できればPCにカテゴライズしても支障がでるとは思えません。

WikipediaのPCを見るとこれといって決められているものではないように思えます。

ARM系のタブレット型やスマートブックがx86のネットブックとタブレットと同程度の作業ができれば、PCにカウントしてもいいのではないかと思われます。

このため、Gartner等の調査会社がPCのカウント方法次第では2010年のPC出荷台数は大幅に増える可能性があると思われます。2010年はPCの定義が改変される年かも知れません。

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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