すみません。諸事情で少し更新を止めます。有馬記念までには更新できそうです。
栗原さんの翻訳で、コグノスのイベントで配られた書籍『チーフ・パフォーマンス・オフィサー』が、オンラインで購入できるようになりました。Amazon.co.jpの中古コーナーに、全く開いていないものが出品されているようです。だれかがコグノスのイベントでもらって売っているのでしょうね。複雑な気分です。
楽天ブックスとAmazon.co.jpへのリンクはこちらへ。
http://item.rakuten.co.jp/book/3668136/
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4990207912/
個人的には、楽天ブックスが好きです。送られてくるときに、ビニール袋に入れられているので、清潔感があります。
オンライン書店のすべてにリンクを貼れなくてすみません。オンライン書店ご担当者さま、コメント欄にリンクを書いていただいても削除しませんので、ご自由に宣伝してください。
このニュース、共同通信が配信した。コピーうんぬんは、記事ではそれほど大きくないが、タイトルだけ見ればちょっとひどい。週刊新潮の報道によれば、民主党のプロモーションに絡んだのは博報堂とフライシュマンヒラードジャパン。フライシュマンはPRだけだろうから、このコピーを書いたのは博報堂のコピーライターと想像できる。そして近年、これだけ叩かれているコピーを見たことがない。
私はコピーも書くので、この不評な「日本を、あきらめない。」というコピーを擁護してしまったら仕事が来なくなってしまうかもしれない。それは困る。困るのだが、私はこのコピー、けっこういいと思っていた。
なぜか。
それは、「小泉首相(もしくは自民党)に政権を任せておいたら、いろいろな意味で日本はどうしようもなくなりますよ」というメッセージをきちんと伝えられているからだ。確かに、キャッチとしては弱い。力強さはイマイチなのだが、ボディーコピーがガツンと効けば、いいコピーとして評価されていたはず。裏を返せば、「いろいろな意味で」がなければ生きないコピーだった。
だから、キャッチだけで評価するのはナンセンスである。キャッチを決めるということは、それを補強するボディーの部分もあったはずだから。問題は、民主党がその「いろいろな意味で」の部分を有権者に伝えきれなかったことにあるのではないか。
コピーライターがキャッチを決めるときには、クライアントに話を聞く。その中で、浮かび上がってきたのがこのコピーだったのだろう。トップの意思だけでみんなが動けば、こういうコピーは出てこない。民主党の敗因は、「いろいろな意味で」が、多種多様すぎたからではないか。
#ディープインパクトは、これまで見てきた中で、最もわけのわからない馬だ。どこから見ても強そうに見えない。馬格があるわけでもなく、威圧感もない。でも、とんでもなく強い。いや、強いというより速い。菊花賞は武豊の落馬に賭けるか賭けないかの勝負。大穴は長距離血統で単騎逃げの見込めるシャドウゲイトと松岡の腕を先物買いしてマルブツライト。さらに、NHKマイルで「牡馬は1頭強いのがいるけれどほかは弱い」とコメントした福永の見立てに従う。つまり、福永の乗るアドマイヤフジは切りで、皐月2着の11以外の皐月出走馬も切り。7を1着固定で8,11,13,14,15の3連単勝負。ちなみに、ひねったのに7→11→14では20倍弱しかつかない。見るレースか、それとも落馬に賭けるか。
最近、バスにはまっている。今日は朝早くからもぞもぞと起き出して、目黒の雅叙園まで出かけてきた。三軒茶屋から目黒まで。これまでなら田園都市線と山手線でもみくちゃにされ、フラフラになりながらたどりついたところだが、バスなら1本。しかも混まない。本当にバスは便利だ。
バスの話は置いておいて、コグノスの話。先月更新をほとんどできなかったのは、単にさぼっていたわけではなく、このイベントで配られた書籍『チーフ・パフォーマンス・オフィサー』の編集作業などに忙殺されていたためだった(ことにしておきます。浅井さんごめんなさい、と言っても浅井さんの更新頻度の方がすてきです)。
著者訳者の栗原さん、編集を手伝ってくれたロビンソンの梅田さんやフリー編集者のみなさん、英治出版のみなさんと担当の鬼頭さん、そしてかっこよく装丁してくれたDeeplusDesignsイワタさん、本当におつかれさまでした。そしてありがとうございました。何とか間に合いました。
また話がそれた。本の宣伝は、amazon.co.jpや楽天ブックスなどで買えるようになってからするとして、このイベントは、コグノスの新BIスイート「Cognos 8 Business Intelligence」のお披露目会でもあった。そこで、このソフトウェアについてふれておく。
Cognos 8が面白いのは、機能の範囲が広い「BIスイート」であり、かつ完全にひとつのソフトウェアとして全機能が構成されていることだ。私は技術者ではないので、これが本当に技術的に正しいのかどうかはわからない。ただ、プラットフォーム部分が一元化されているものの、使用する機能によって買収製品を切った貼ったしているソフトウェアではないという点は確かなようだ。
これは、2つの点で大きなメリットになる。TCO(総保有コスト)を削減できることと、柔軟性(情報へのアクセスに対する自由度)が高くなることだ。
市場へのインパクトも大きいはず。現在、ビジネスアプリケーションスイートを提供するSAPやオラクルが、「企業の情報システムの中心」を取ろうと動いている。その中で、Cognos 8には、基幹系と情報系の議論を再燃させようとするエネルギーを感じるのだ。
SAPやオラクルのメッセージは、自社のパッケージでカバーできない部分を、自社のパッケージの中にある共通データストアに取り込んで、そこをベースに情報を活用しよう、というものだ。そのためにインテグレーション基盤を用意しますし、データウェアハウスもご用意できます、である。彼らは、すべてを基幹系の中で完結させ、その延長として情報系をとらえたデータ活用を提案していると言える。
これに対してコグノスは、基幹系=プロセス定義/情報蓄積型システムはいくつもあるのだから、それらから業務に必要となる情報を引き出して、自由に活用できるようにしてあげます、という。企業にとって重要度が高いのは情報を活用する方であり、そのために必要になるあらゆる機能とプラットフォームを提供します、というわけだ。そのためにCognos 8はETLとEIIを備え、さまざまなデータフォーマットに対応している。
BI市場は長い間、いつか爆発すると言われ続けてきた。Cognos 8の発表の前後には、ライバルのビジネスオブジェクツもスイートのメッセージを強化してきている。競合が起きれば市場は盛り上がる。基幹系と情報系の議論をBI側がうまくリードできれば、面白くなりそうだ。これはBI側とビジネスアプリケーション側のどちらが勝つかという問題ではないので、情報システム全体の設計思想として考えるのもいいかもしれない。そういう特集、怒賀記者あたりがやってくれないですかね。
仕事が落ち着いてきたので、競馬予想の合間にようやく「一太郎訴訟」の控訴審判決文を読んでみた。
難しく書かれていて読みづらいのだろうなあと予想していたのだが、そうでもない。ただ、目次はつけてくれた方が親切だ。そういえば、ある小説を読んでいると、裁判官が判決文を書くシーンが出てきた。裁判官によって書き方にスタイルの違いがあるのだろうか。文学的であるために難解な判決文とか、見てみたい気がする。
さて、この判決、要は松下の逆転敗訴なのだが、ジャスト側の主張で退けられている部分もけっこうある。それでも敗訴したのは、進歩性の欠如(栗原さんのblog参照ください)という理由なのだそうだ。
私は特許の専門家ではないから、特許が認められるということは、その部分で独占・排他が認められることだと思っていた。おそらくそれはそれで正しいはず。
ところがこの判決では、「松下が特許と認識していたもの」が「実は特許ではない」ということになっている。松下に特許を与えた特許庁は責任を感じないのだろうか。ネット上では感情論も含めてジャスト側に好意的な意見が多いが、松下も十分にかわいそうだ。
今後も、同様のことが起きる可能性がある。特許庁は早急に過去の特許を洗い直し、「実は特許ではない」特許を特定すべきである。
#秋華賞はラインクラフト-エアメサイアでほぼ鉄板。しかし、荒れるときには大荒れのこのレース。ラインクラフトの強さは信じ、穴に隣のオリエントチャームを。5から6、8、10へ。3連単もこの組み合わせで。
郵政民営化が賑やかなまま、時がすぎてゆく。選挙が終われば熱も冷めるかなと感じていたのだが、そのままのようだ。国民よ、経済活動に貢献してみないか(笑)?
あくまでも、(笑)である。さて、どうするのか。
頼んでもいないのにポストに入るチラシで、料金受取人払いのハガキがついているものは、なにも書かずに送り返すのだ。
http://www.post.japanpost.jp/fee/how_to_pay/uke_cyaku/index.html
↑ここ参照ください
そもそも頼んでもいないのに業者が勝手に郵便受けに入れるのである。それをポストに“捨てる”のだ。文句あるか。
郵便局は儲かり、チラシを入れる業者は損をする。経済は、お金が回れば回るほど活性化される。小さな社会貢献である。
楽天と村上ファンドがTBSの株式を大量保有したそうだ。ここでも「放送と通信の融合」というキーワードが出てきた。
このキーワードには、ずっと疑問を感じている。
放送=片方向への情報(コンテンツ)たれ流し
通信=双方向でのやりとり
が間違いないとしよう。そして、実際に放送を受け取る者と情報を受発信する者は、個人であるという認識に立ってみる。
すると、このように考えられないか。集中してテレビドラマを見ている個人は通信を行わないし、電話に夢中の個人はそばでテレビが映像と音声で関心をひこうとしても見向きもしないはず。
放送を見ながら通信するケースは、テレビショッピングや視聴者参加型のクイズ番組のようなものが想定できるかもしれない。また、かつて筒井康隆が朝日新聞に連載した『朝のガスパール』で試されたような手法のドラマも成立するかもしれない。
しかし、それが本当に面白くなるものなのか。朝のガスパールは筒井康隆らしい予言書としての価値もあり、今読んでも面白いのだが、楽屋落ちにパソコン通信参加者を含んでしまっている点で、非参加者にとっては面白さを理解できない部分も多い。
さて、放送と通信は果たして融合するのだろうか。
私は、単純に見ている。通信が放送的な役割を果たせるようになってくることで、既存の放送は魅力をなくしていく。つまり、これまでチャンネル数が限られた中でやってきたテレビ局というビジネスは、このままでは視聴者数を新規参入者に奪われることで広告収入を失い、滅びる。同様に、コンテンツ制作能力のない放送・通信プロバイダーは視聴者を獲得できないので滅びる。
新時代に勝利するのは、優良コンテンツの保有者だ。中でも、リアルタイム性が重要なスポーツを持っているプロバイダーは強いだろう。たとえば、F1ファンならわかるかもしれない。F1 Live.comで先に結果を知ってしまってからレースを見ても興醒めだ。競馬や競艇も、リアルタイムに馬券・舟券という参加料を払って楽しむから盛り上がるのである。個人的な意見で申し訳ないが、野球なら、福岡に行くことはできないものの、お金を払ってでもパリーグのプレーオフをリアルタイムに見たい。私は巨人ファンだが、いい試合(真剣勝負で盛り上がりそうな試合)は野球ファンとしてリアルタイム性に対価を払う価値のあるものなのだ。
もうひとつの大きな問題は、優良コンテンツが飽和状態にあることだ。一生かけて過去の名作映画を見続けたり、小説を読み続けることはすでに不可能である。
個人の趣味の多様化という現実がそれに輪をかける。
放送は多チャンネル化へと向かい、これまでテレビ局がやってきた総花的なやり方では儲からなくなる。そんなテレビ局を買収して放送と通信の融合とは、不思議な構図だ。
放送と通信は融合しない。個人の選択肢が増えるだけだ。どうせ買うのなら、テレビ局そのものではなく、スポーツを放送できる権利やコンテンツ保有会社、もしくは、ギャンブルにはなるが、コンテンツ制作能力のある制作会社の方がいい。
すでに過去のニュースになってしまったが、オラクルのシーベル買収に少しだけふれておく。
2年ほど前に、@ITで「ピープルソフトのJ.D.エドワーズ買収は無意味」という原稿を書いたことがある。当時より、ミドルウェアによる統合という声が大きくなり、オラクルやSAPはその部分に熱心ではあるのだが、ソフトウェアの統合は依然として難しい。現在、オラクルは米国で年次カンファレンスを開催中。レポート特設ページは現時点でまだないようだが、ITmediaエンタープライズのトップから記事は読める。シーベルだけでなく、買収したピープルソフト(製品としては、PeopleSoft、旧JDEの2製品ラインの3つ)、リテックなどについても明確なロードマップを個別に示してほしい。サポート期限の延長だけでは、ユーザーの不安はぬぐえない。
ここのところ多忙で全く更新できなくてすみません。おそらく10月中旬ごろから元のペースに戻る予定です。面白いニュースが出てきたら、またここに書いてみます。
「電子メールもFAXもDBで一元管理――オラクルがCollaboration Suite 10g発表」(発表の中身はこの記事へ)
この記者発表会は、プレス/アナリストの前にずらりとPCが並べられ、Collaboration Suiteに直接ふれられるという珍しい趣向で開かれた。
実際にさわったのは旧来のコラボレーションツール(インターネット会議ツールのようなもの)にもあったチャットやアンケートなどと、簡易なエンタープライズコンテンツ管理機能だけ。「だけ」ではあるのだが、説明を聞く「だけ」なのと実際に動かすのではまったく違う。日本オラクルのエンターテイナー、西脇さんのプレゼンは相変わらずで、うけることにすべてをかけている。印象はよい。
さわってみた範囲では、使い勝手に少々難ありと感じるところもあった。たとえば、タブインデックスのナビゲーションがデフォルトだと通常とは逆に右から左へと流れる。とはいえ、Collaboration Suiteそのものには、出てきたころから注目してきた。今回のバージョンアップでカバーする範囲が広くなった。きちんと評価されればもっと売れていいとは感じる。
ただ、結局のところチャットより電話の方が話が早い。アンケートもそれほど頻繁に使うことはなさそうだ。幸いなことに、Collaboration Suiteはカバーする範囲が広い。「業務でこういう使い方をすればすごく便利」という新しい提案がほしいところだ。
BEAがプラムツリーを買収した(NABENOさんと磯島さん、教えてくれてありがとうございます)。@ITの新野さんが書いているので、参照してほしい。
これは、オラクルのBEA買収がなくなった証拠だと考える。オラクルによるBEA買収の噂は、かなりの真実味をもって報道されていた。ということは、少なくともオラクルからBEAに対して買収提案はあったとみていい。それなら、このタイミングでBEAがプラムツリーを買収したということは、オラクルからの提案を蹴ったか、もしくはオラクルがBEAに興味を失ったのかのどちらかだ。主体がどちらなのか気になるところだが、交渉を打ち切ったのはオラクル側だろう。競合製品を持っていて、買収の方向性がずれる。
いま、オラクルがベリングポイントに興味を示しているという噂がある。ピープルソフト、リテック、そしてプロフィットロジックで当面のアプリケーションの拡充は終わり、次はサービス分野を強化するためにSI大手を買うという見方だ。ピープルソフト買収後も、BEA買収資金は別予算で持っていたと噂されるオラクル。その資金をベリングポイントに注ぎ込むのか、いやそもそも本当にそんな資金はあったのだろうか。
個人的には、オラクルは当面ソフトウェア分野の買収を続けるとみている。リテックとプロフィットロジックは小売業界での存在感を高めたい戦略で、次はSCMではないか。それも小売りと関連のあるベンダーだと予想する。SCM専業大手ならどこでも小売業者を顧客としているが、プロフィットロジックを買収したのでマニュジスティックスを買うことはないだろう。大手ならi2を買う可能性がある。i2が黒字化して買収のハードルは高くなってしまったが。
CRM分野でも、オラクルによるシーベル買収の噂は根強い。ただ、シーベルの時価総額はi2のおよそ10倍だ。ちなみに、BEAはシーベルの4分の3くらいか。ユーザーベースを買うならシーベルよりBEAではないかな。