Openstack: Cloud Computing IaaSのオープンソースの解
昔MySQL や JBoss の日本進出のコンサルをしたので、オープンソースがどんなものか分かっているつもりだ。しかし、MySQLやJBoss が買収された後、急激に興味を失った。 Openstack に関しては時々聞いていたが、http://www.openstack.org/ あまり詳細は知らなかった。多くのIT屋と同じように筆者もクラウドの動向に興味がある。クラウドを使えば規模の経済でエネルギーの消費を削減することができるだろう。クラウド、エネルギー削減とそこにオープンソースが絡んできた。それでは、ちと見てみるかという気になった。
ちょうど、 Openstackの初めから関わった人がたくさん出るミーティングがあったので参加してみた。以下の内容はあまり技術的なことは書いていないが、Openstackがなにか分かるかもしれない。
あちこちで報道されているように、OpenstackはRackspace と NASA が共同して開発しているオープンソースのIaaSのソフトウエアだ。
6人のスピーカは以下の通りだ。
ご存知のようにこちらでは、人は会社や組織を次々と変えるのでその人のバックグラウンドを知らないと時々混乱する。
Openstackの要約
まず簡単にOpenstackが何か述べてみよう. 3つの大きなプロジェクトが進行しているが、その他にも数個のプロジェクトが用意されている。3つは:
Compute (Nova), プロビジョニングなでコンピュート環境のセットアップなどの管理を行う
Object Storage (Swift), AWSのS3のようなもの
Image Service (Glance) , バーチャル・マシンのイメージの管理
他のプロジェクトはここに示されている。
全てのプロジェクトはPythonで書かれている。このわけを質問されると理由はあるがここでは言わないと Joshua が回答した。White Houseに提供された以下の文書に理由は示されているが、一般人には閲覧できない。
Openstackを支持するコミュニティや会社も増加している。下はその一部だ。ところで、日本にもOpenstackのコミュニティがある。ここ。
リストはがんがん大きくなっているので、最新のリストはウエブを参照のこと。
/ この中で1つの日本の会社が取り上げられているNTT Data とミドクラ だ。日本の会社が積極的に参加しているのは結構なことだ。
スピーカー
Rick Clark は以前Rackspaceに勤めていた (現在はCisco) が最初にOpenstackを考えて一人だ。そしてNASAとの連携に尽力した。
Rick Clark
Visa Ishtar は NASA に勤めていた (Joshua McKenzieが上司だった) が、今はRackspaceに勤めている。
Visa Ishtar
Visaは “Compute” の部分のテクニカルのリーダーだ。当初はNASAにいたので、その当時どのようにRackspaceと交渉したのかを話した。現在Rackspaceにいるので少し話がややこしい。
Joe Arnold はCloud scaling に勤めてOpenstack のObject Storageの部分を担当している。
Joe Arnold
James UrquhartはCisco に勤めるが、クラウド関係のコンファレンスではおなじみだ。彼の話は Openstack がCiscoのビジネスにどんな関係があるかというものだ。
James Urquhart
簡単に言えばサービス・プロバイダーがCiscoのカスタマであり、包括的なサービスを提供できるプロバイダーが競争に勝つ。サービスはCiscoのソフトとハードで実装できるというわけだ。更に、現在のlクラウドはネットワークへのサポートが乏しいと言った。それで、現在 Network as a Service (NaaS)を Openstack の一部として開発している。プロジェクトの名前はQuantumだ。 http://wiki.openstack.org/Quantum また、ドナベ(土鍋)というコンテナ・サービスに関しても述べた。当初はネットワークのコンテナを目指すそうだ。このプロジェクトはRick Clarkがリーダーだ。
Christian Reilly はCitricに勤めており、Citricの立場を述べた。
Christian Reilly
主な話はCitrixのOlympusというプロジェクトに関してだった。Openstack の強化版でOpenstackと クラウドのギャップを埋めるものだ。以下の機能比較を参照。
Joshua McKenzie はNASA でOpenstackのプロジェクトを開始した。自分をOpenstackの父と呼ばれるにはおこがましいが、叔父か従兄弟くらいだろうと言った。でも彼から発するエネルギを感じるとやはり彼がOpenstackの父だと思う。
Joshua McKenty
彼はオープンソースの開発者の数の比較を示した。
Joshuaだけでなく残りのスピーカーも本当に入れ込んでいるように見えた。これは、筆者がMySQL とJBossのコンサルをした時に感じたようなエネルギーだ。Openstackにはまだやることが多い。同じオープンソースのEucalyptusは既にカスタマーを入手しており一歩も二歩も進んでいる。今後の展開が楽しみだ。