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2015年富士通北米技術ホーラム: SDN とIoT、2つの大きな技術傾向 - その 2

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これはその1からの続き。モデレータとパネリストに関しては、その1を参照。

ローカルとリモートのネットワーク

ネットワークのインフラは2つの部分から成り立っている。1つはローカルのネットワークでもう1つはリモートのネットワークだ。リモートのネットワークはcloudを実現している。 Cloud は必ずしも1つではなく、リモートネットワークで繋がった幾つかの小さなCloudから成り立っていることもある。 コンピューティングの負荷をCloudに送ると、ブラックボックスに送ったようになる。換言すれば、その負荷がどこで処理されるのか、一箇所で処理されるのかもわからない。負荷は複数のCloud間で交換されて、コスト、遅延や反応時間の最小化や帯域幅を考慮して一番良いところで処理することも可能である。

しかし、抽象化の一番上の層で見れば、この複数のCloud を1つのCloudとして表現することができる。また、Cloudで使用されるプロトコルは3G/4G や TCP/IPだ。

Parulkar 教授は SDNはローカルネットワーク(センサーネットワークなど)にも必要だと述べた。そのようなネットワークは千差万別の種類があり、それぞれの大きさも非常にバラつきがある。使用される範囲も一軒家や1つのビルディングの場合もあればキャンパスネットワークや地域全体に渡ることもある。このレベルに使用されるネットワークプロトコルは6lowpanZigBeeZWave,、BluetoothWiFiWirelessHartなどだ。 筆者の知る限り、一般的にSDNはゲートウエーの向う側の ネットワークのみに適用される話が多い。しかしながら、「IoT SDN 」でググると90万のヒットがある。

この状況は以下の図に示してある。この図はParulkar 教授のスライドから関連する部分のみを取り出したものだ。ローカルのネットワークでデータが収集されると、ゲートウエーを介して集められる。SDNを適用する際はローカルもリモートもどちらのネットワークに関しても考慮するべきだ。それぞれ個別に適用するのではなく、エンドツエンドでトラフィックを考えなければならない。しかしながら、SDNの観点から言うと、これを実現している事例は殆ど聞かない。

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SDNを全体のネットワークインフラに適用する

ネットワーク全体を見ると、ローカルもリモート考慮する必要がある。つまり、負荷の分散、遅延、リスポンスタイム、帯域幅、とコストを考える必要がある。これを注意深く検討すると、なかなか困難であることがわかる。遅延やリスポンスタイムを最小化しようとすると、Cloudにジョブを送るのではなく、ローカルで処理する必要がある。Fogコンピューティングはローカルネットワークで処理する新しい名前だ。これは、リモートのCloudで処理するよりも早く処理できるからだ。

同じコンファレンスで富士通研究所は大規模センサーネットワークの制御システムというデモを行っていた このプロジェクトはまだ実験段階であるが、台湾の工業技術研究院 (ITRI) と共に実験を行っている。山下浩一郎氏(富士通研究所のユビキタスプラットフォーム研)による短いプリゼンを見て話をした。多くはプレスリリースの他はまだ発表されていない。

fujitsu-sensor.JPG

山下浩一郎氏 (右側)

山下氏との簡単な会話の内容は:

  • Ÿネットワークのインフラは、ハード、ネットワークのプロトコル、ミドルウエア―とアプリから成り立つ。
  • Ÿ 富士通の技術はミドルウエアであり、ネットワークの各層はそれぞれ独自のラウティングやトラフィック・エンジニアリングを行う。富士通のミドルウエアはそれとは独立したラウティングやトラフィック・エンジニアリングを行う。
  • Ÿ山下氏は富士通の技術はネットワークの接続を一番念頭におき、信頼性を保障するもので、リモートとローカルのネットワークの負荷分散を実現するのが目的だと述べた。更に、リアルタイムのアプリは対象外だとも述べた。

注目したのは、次のことだ。富士通の解はリアルタイムのシステムを対象にしていないので、自動車衝突防止システムのような遅延やリスポンス時間を考慮してローカルネットワークで主に処理する必要はない。そのような要求の元では、ローカルとリモートのネットワークの混雑状況を観察して、遅延やリスポンス時間を考慮する必要もなく、場合によってはリモートで処理した方が良い場合もある。また、場合によっては、Cloudは多くの負荷で混雑しているかもしれない。この技術があればトラッフィクはCloudとFogの間でバランスを取ることができる。多分どこかで、このCloudとFogの間の負荷分散を可能にする技術が報告されているだろう。しかし、この技術に関しては富士通の話が初めてだ。これはインダストリアル インターネット(Industrial Internet of Things)コンソーシアムの良いユースケースとなるだろう

IoTに関わる特別な問題

Parulkar 教授はIoT はセキュリティなどそれ独特の問題があると述べた。

教授はStanford大学に属しているので、他のStanfordのプロジェクトにも詳しい。Stanford Secure Internet of Things Project は主にIoTのセキュリティを研究している。しかし、実際にはセキュリティ以上のことも研究している。まとめると、

  1. アナリティクス : どのようにして物理的な世界のインストルメンテーションと存在するデータを結合させるか
  2. セキュリティ: パーベイシブなセンサーやアナリティクスでユーザーのセキュリティを保ち保護するか。
  3. ハードとソフトのシステム: どのようなハードやソフトがウエブ・アプリケーションのように簡単に知能を持ちセキュアーなIoTを開発できるだろうか

ネットワーク インフラに対するセキュリティへの挑戦

  • ビールス、ウォームやトロージャン ホース
  • スパイウエア―とアドワエアー
  • ゼロ・デー攻撃、ゼロアワー攻撃とも呼ばれる
  • ハッカー攻撃
  • DoS攻撃
  • データ解釈と窃盗
  • ID窃盗

などに対処することだ。

小規模のデバイスは感知し収集する以外の性能を持っていない。一体どのようにして余剰のコストを計上せずにこれを達成できるのだろうか。こう言った問題はStanfordの研究者が研究しているんだろか。

2020年、5年後のネットワークインフラはどうなっているか

3人のパネリストは5年後のネッワークについて様々な予想を述べた。

Lieber氏:

  • Ÿネットワークはより速くスマートになる。ネットワークは簡単に構築とテアダウンをセキュアーに迅速に行うことができる。

関屋元義氏:

  • Ÿエンドユーザーから見ると、ネットワークは空気のようなものとなる。存在するが意識することがなくなるというものだ。
  • Ÿインフラから見ると、ある種の知能が導入され莫大な数のデバイスが大量の電力を消費しないような仕組みが考えられる。

Parulkar教授:

  • ŸホワイトボックスのネットワークOSが展開されてより多くのサービスが展開される。
  • Ÿ 5年以内では、IoT のデバイスはスマホの変形で、異なった形態のIoTのデバイスが出現するのは、5年以降となる。
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