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東芝のHD DVDの件と、SONYのβ(ベータ)はちょっと違うかもなぁ・・・という私見

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一昨日、三菱電機の携帯電話端末事業撤退の件についてエントリーしました。

このご時世、どこも改めて「選択と集中」を図っているようですね。

このオルタナティブ・ブログでも何名かの方がとりあげていた東芝のHD DVD撤退。また、世の中の記事やブログにおいても、過去のVHS・ベータ戦争において、SONYが撤退することになった一連の事象になぞらえて書かれている方も多かった、と思います。

そこで、一応、今でもかろうじて動作するSONYのベータマックス機を所有している自分としては

「録画専用機として利用するなら、あえてHD DVD機を買う、という選択もありでは?」
(どうせ安く手に入ったりすることもあるでしょうから)
(事実自分のビデオの使い方は、コンテンツを借りてきて見るより録画がほとんどだったので、ベータ機はまさにそうしていた)

と書こうか、としているうちに時が過ぎてしまい、機を逃してしまいました。

でも、それでちょっと時が経ったら、また考えが変わってきてしまいました。「ちょっとベータとは事情が違うかもなぁ・・・」と。ということで私見を書いてみたい、と思います。

ベータ、というビデオデッキについて、あくまで素人見の判断ですが、

画質は、
HiBandベータの標準(βⅠ(ベータ1))>HiBandベータの2倍(βⅡ(ベータ2))>VHSの標準>=HiBandベータの3倍(βⅢ(ベータ3))>>>VHSの3倍
のような印象でした。

※S-VHSとかEDベータなんて自分にとっての高級機は利用したことが無いので、非常に低レベルなんだ、と思いますが。

だから、音楽番組等を始め、極力VHS機が手に入った後もベータ機で録画をしていました。手に入れたVHS機が本当に安い機種だったのに比べ、持っていたベータ機がEDベータが出るまでのかなり最上に近い機種だった(SL-HF900ESMK2、通称ベータプロ2という機種だったのですが)ということもあり、編集やサイマルキャスト録画、操作性のいずれをとっても使い易かったという理由もありました。

でも、ベータユーザーである自分にとっての一番の難関は・・・そう、テープの購入でした。

まず売ってない。で、売っていても、選択肢がほとんどなく、VHSに比べると比較的割高。

当時まだ学生・アルバイト収入の身分で言えば、なかなかおいそれと頻繁に購入できるような価格では無かった、というのが一番痛いところでした。

VHSならいくらでも安いのが手に入るのに・・・。

自分で決めた妙なこだわりに疑問を持つことも多々・多々ありましたが、こだわり続けてベータを使い続けました。

社会人になって数年経ったある日、とある先輩が部署で不要になったビデオテープを処分することになったが、そこにベータらしきものがあるから見に来ないか?と言われ見に行くと、そこにあったのは、そう業務用ビデオカメラ「ベータカム」用のテープでした。

初めて見る”ベーカム”のテープ・・・。でも、どう見てもサイズは普通のベータのテープと同じ。

仮に使えなくても責任持って処分することを約束し家に持って帰って現物合わせしてみると、やはり家庭用のベータのテープと同じサイズ。デッキに入れて再生してみると・・・当然、録画フォーマットが違うので再生すらされません。しかし、どうせ中身は見る必要が無かったので、録画ができるかどうか試してみると・・・録画できたのです、これが。

当たり前と言えば当たり前なのかもしれません。ソニーとしては推奨していない使い方なのかもしれません。でも結果論から言えば、自分が通常使用する量の数年分にあたるベータのテープをこうして手に入れることができました。

その後、制作会社の人と知り合いになったりして、業務上ではもう利用することの無い、その会社では耐用回数を過ぎたベータのテープをもらったりして、その後、ベータのテープは安定的に手に入れることができるようになりました。

そう、ベータは家庭用では完全に敗北しましたが、(市場としては小さくとも)業界用のフォーマットとしては生き残ることができたのです。

したがって、(推奨では無いだろう、とは思いますが)未だに利用することが可能なのです。

果たして、HD DVDは同じように考えるとどうなんでしょうか。

何か生き残る術はあるのでしょうか。少なくとも(どんな形であっても)生メディアが手に入る状態は継続されるのでしょうか。

ソニーは大きな痛手を負って、家庭用ビデオデッキから自社フォーマットを撤退させつつも、あるニッチな市場で生き残ることができたと思います。HD DVDは家庭用次世代ディスクフォーマットから撤退しつつも、何かそれを転用して生かそうとしているのでしょうか。

これが分かれば、自分はまた開き直って、HD DVDを買ってしまうかもしれないです。

あくまで安くなれば、が条件ですが。

※1:当然、我が家(正確には実家の親)がベータを買った時には、まだ完全敗北をソニーが認めていない、約21年前の時です。

※2:俗にソニー製品のことを揶揄して「ソニータイマーが働いて・・・」などという人が居るのは知っていますが、幸せなことに我が家のソニー製品はあまりタイマーが働くことが無く、長寿命で動作しています。かろうじて、と表現したのは、テープカウンターが動いたり動かなかったりすること、と、テープローディングにコツが居るようになってしまったことです。それ以外は過去に一度ヘッドを変えただけなので、品質は非常に安定しています。約3年前に購入したDVD-R/HDD機(これがまさに東芝製品)をメインに利用しているので、ベータで録画することはほとんど無くなりましたが、過去に録画したコンテンツはたまに見ています。

※3:確か、β(ベータ)とかⅠ(ギリシャ文字1)、Ⅱ(ギリシャ文字2)、Ⅲ(ギリシャ文字3)って機種依存文字だったような気がするのですが、今はどうなんでしょうか?すみません、この原稿はWindows機で書きました。多少回りくどい表現になっています。でも、何かベータはやっぱり1文字で表現したかったのです。もし画面出力されない方居られましたら、そういう言葉が表現されている、とご理解願います。あらかじめご容赦願います。

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