”SaaS”ならぬ”MaaS(Master As a Service)”こそ実現して欲しい。
先般インフォテリア社長の平野さんよりこの度開催されるイベントのダイレクト・メール(?)を頂いた。
平野さんとは以前、きょこさんが仕掛けてくれた懇親会でお会いさせていただき名刺交換させていたきり。こんな一・平社員に直々にメールを頂けるなんて・・・と思いつつ、「で、どんなイベントですか?」と見てみると、”MDM”に関するものだという。これまた不勉強な自分、「何ですか?”MDM”って?」と思ってよくよくイベント概要を読んでみると、マスターデータ管理に関するものだ、という。
ははぁ。そういう考え方も既に出ているのですね。もしかして平野さんは、以前自分がこんなマスターに関するエントリーをしたことをご存知いただいて送ってくださったのかな?なんて自惚れてみたり。まぁそんなことは無いわな。お忙しい人なのに。単なる偶然だろう。
でも、せっかくお誘いいただいたのだから、是非お伺いしてお話を聞いて来たい、と思って早速イベントに申し込みをしておいた。
さて、このMDMの概要にも書かれているが、確かに、企業内には似て非なるマスターだけならともかく、全く同じマスター、他のマスターの内容を内包するマスターが点在していたりする。その点在の理由は「わざと」もあれば、開発時期、インフラの違い等により、結果として別になってしまっただけの場合も多い。別になっていることにより、何か一つのマスターが誤っていても、単なるラッキーだが別のアプリケーションには影響を与えないこともあるが、たいていの場合はその維持に莫大な工数をかけていることが多い。
ところで、もう一つ遡って考えてみると、企業におけるマスターデータには、従業員マスターや商品マスターといったその企業でしか得られない、知り得ないマスターデータもあるけれど、郵便番号マスターや、住所マスター、分析系システムで利用するなら人口統計や市場動向等、各企業にとってその見方・使い方は「ノウハウ」かもしれないけど、そのデータそのものは(ある一定の条件さえ満たせば)誰でも手に入る、そのデータの存在だけでは某かの利益を生み出すとは言い切れない非コアマスター(と、自分は勝手にネーミングしているのだが)が存在する。
そういったマスターデータを、その更新のタイミング毎に購入し、某かのメディアで供給してもらい、それを利用するシステムへ投入し、場合によっては加工し、という工数はあながち馬鹿にできないものである。
こういったデータをそのデータ供給元自身が「SaaS」ならぬ「MaaS」として利用できるよう供給してくれれば、何よりその供給元自身以上に正確なもの、というか頼れるものは無いのだから、供給を受ける側にとっても便利だし、供給元自身にとっても新たなサービスとして展開できるのでは無いか、と思う。(余計なお世話だが、正誤があった時の対応もし易いだろうし)
自動車業界で言えば、日本自動車工業会(自工会)、日本自動車販売協会連合会(自販連)、軽自動車検査協会、自動車検査登録情報協会等の統計データ、一般では日本郵政の郵便番号データ、朝日新聞社の民力、インプレスのインターネット白書等が供給されると良いな、と思う。
ただ、この考え方自身は特に新規アイデア、というものでは無いだろう。既にいくつものマッシュアップ用Webサービスが展開されていることは知っている。ただし、その多くはより一般ユーザーを対象にしており、ビジネスで利用されることを前提としている有料サービスものはまだまだ少ない、と思う。現在のWebサービスのデータはビジネスで利用されることを前提としていないから、甘えも効くので無料サービスにしている?、と言ったらこれは失礼かもしれないが。
そういう意味では、特にお堅い(?)官公庁や企業団体がその存在意義も十分発揮できるので、こういったデータ供給に乗り出してくれれば、単純におもしろい、と思うし、企業にとってもメリットがあるのにな、と思う。但し、ものによってはかなりサービス希望者が限られてしまうので、なかなか難しいところがあるか、とは思うが・・・。
どうだろう。「MaaS」、流行らないかな?
追記:ちょっとやられたなぁ、と思ったのは、このエントリーをしようと思いついた時に、我ながら「MaaS」ってネーミングはおもろいかも?とかほくそえんでいたら、「DaaS」なんてものが登場しているよ!というとおるさんのエントリーがあったこと。なんだ、じゃあどっかで既にもう実現されてるかも、と思うと、「まぁ自分が考えつきそうなことは、とっくに誰かがやってるわな」とガッカリしたのでした。orz。