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[勝手論]「続きはWebで」とPowerPointでの会議資料の共通性

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実は今の会社に入るまで、ほとんどPowerPointを使ったことが無かった。

システムの利用者教育を自分が講師となってする際に研修用資料を作成するために利用することが4、5回あったぐらいである。

じゃあ企画書等はどうしていたか?ということなのだが、それはほとんどがExcelもしくはWordでの作成だった。他の人は大半はExcelだったと思う。

その理由はごく単純で、当時のその会社の企画書のフォーマットは原則A3・1枚と決まっていたからだ。A3・1枚に、企画の背景、現状、認識課題、対応案、対応スケジュール、予算案等を書く。実施結果の報告書なども同様である。

で、会議はどうしていたかというと・・・。全て紙ベースだった。今は違うんだろうなぁ、でも今から6年前ぐらいは確かにそうだった。

ちなみに、役員さんとかのためには、拡大コピーが用意されていた。テレビ等で見るスライドが2面も映されて前でスピーカーが話しているような会議は見たことが無かったなぁ。

・・・こんなこと書いちゃって、と思いつつ、もう6年も経っているので現況を示していないでしょうから時効でいいですよね?(苦笑)

で、今の会社に入って、もういきなり初日ぐらいからPowerPointを使わされる羽目になったのである。逆にそれが”公用語”でしょう、とばかりに。まぁ焦りましたね。たぶん1ヶ月で過去の社会人生活の間のPowerPoint利用経験を一気に抜いてしまったことだろう。

でも、自分はどうもPowerPointが好きになれない。仕方なく使うけれども。

それはきっと「制限されていない」自由度が、自分の場合は考えを散漫にしてしまうから、だと思う。

A3・1枚に企画書を書いていた時は、とにかくそのスペースは有限だからこそ、要素を詰め込むのに、情報の取捨選択、一番言いたいことは何か?、一番わかって欲しいことは何か?をそれこそ乾坤一擲、真剣に考えていた、と思う(前の会社の人からすれば、「まだまだ全然やったで」とか言われそうですが。あくまで自分なりに、である)

PowerPoint、スライド枚数はPCのスペックの許す限りいくらでも作れる。また、様々な表現が自由にできる。

だから、という訳では無いのだが、中身よりもディティールに引きずられそうになることがある。自分は一応自省しているつもり。でもなかなかうまく要素が削れない。他の人はというと・・・とてもちょっとここでは書けませんね。

A3、という限られたスペース、多くの人が見ることを前提としたフォントサイズ、という制限がきっちり決まっていたからこそ、ちゃんと無いなりの脳味噌をフル回転させることができていたのでは無いか、と能力の無い自分は思っている。

ところで、CMはどうだろう。

最近はごく一般的に「続きはWebで」といったものが入っているが、そういったCMの類が必ずしもTVとネットで相乗効果を高めるようなCMにはなっていないような気がする。もちろん、TVCMはとにかく多くの人に広める、Webで中身を訴求する、と役割分担をはっきりさせているんだ、という意見もあるだろうし、現在CMで流されるような商品やサービスといったものが昔に比べて単純じゃ無いから、という意見もあるだろう。

でも、逆に昔はWebも無い世界でかつ15秒、もしくは30秒に全てを表現しなくてはいけない、という制約があったからこそ、CMプランナーは色んな手を駆使してそのCMを実現させ、それで名キャッチコピーや名CMが生まれたのではないか、と自分は思う。

戦略的にCMとWebの融合をさせている、というのはもちろんあるんでしょうけど、むしろ、「Webがあるや」と思って制約条件の多いCMの逃げに使っているケース、あるんじゃ無いの?とか思ったり。

工藤さんが書かれていた「続きはWEBに無いです。」にもありましたが、続きはWebに無い、と言い切ることによってそのCMのインパクトをあげる、もそうなんですが、むしろ今だからこそ、CMに一切Webが出てこない、それでいてそのCMだけで完結する見事なCMに出会いたいと思っている。

制約が無い、ということ程、実はイマジネーションを妨げる、ということってあるのじゃないか、と勝手に思っている。

※「制約が無い、ということ程、実はイマジネーションを妨げる」ということについては、また別途書くつもり。

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