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素人から見た中国株について その1(世界同時株安)

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まさか、こんな所で再び世界同時株安の直撃にあうとは思ってもいなかった。私が株を始めたのは1999年くらいだと思うので、かれこれ8年近く株価の動きを見てきた。とはいっても当初の5年間くらいは素人の下手の極地の個人投資家で、いつも損ばっかりしていたし、最近3年くらいは損はあまりしなくなったものの、決して儲かってはいない。しかし株というものは難しい、と思う。自分が下手なだけかもしれないが、生半可な気持ちで始めると、だいたい数年しないうちに途中退場に憂き目にあうと思う。Yahooの掲示板の投稿に、「○○さん、久々に見るけど、まだ生きていたんだ。」なんていうコメントが多いのが、いかに個人投資家の途中退場が多いのかを示していると思う。

何故、個人投資家は株を止めてしまうことが多いのだろうか?それはもちろん損失が累積するからに決まっているのだが、では言葉をかえて、何故個人投資家は損失を溜め込んでしまうことが多いのだろうか?受け売りに過ぎないのだが、私か以下の数点が考えられると思う。

①株による損益が自分の金融資産に直結するために、資金管理に自分の気持ちが入ってしまい、正確な資金管理ができない。
②上昇局面は株価はゆっくり上がるので、この段階でたくさんの個人投資家を引き付けるが、下降局面は一気に下がることが多く、そこで含み損がでてしまい、その後対応ができなくなる。
③下がってしまうと、なかなか損切りができない。
④個人投資家は(今の自分も含めて)買いしか行わない人が多く、常に買いバイアスがかかっている。当然アナリストレポートなども常に買いバイアスがかかっている。そのため、下げ局面は塩漬けにする以外に方法がなく、精神的に辛い日々を過ごすことになる。
(とはいっても、私は自分も含めて素人個人はなるべく現物買いのみにとどめ、信用買い、信用売り、先物・オプションなどには手を出さないほうがいい、とは思っている)
⑤株を買う会社の状況をあまり調べないで買ってしまうことが多い。ポイントとしては、「企業価値より割安の会社」を買うべきなのに、「人気のある会社」や「エクセンレト・カンパニー」を何も考えずに買ってしまうことが多い。これらの会社の株価は残念ながら、企業価値よ割高であることが非常に多い。
⑥情報の不平等(個人投資家は機関投資家に比べて情報が少ない)

素人個人投資家としての自分を改めて振り返ってみると、
①はだいぶ修練されてきて、以前のように慌てたり、心がブレることが少なくなったとは思うが、まだまだ先は長いとは思う。今後ともますます精神修養が必要な気がする。
②もまだまだです。売り時を見極めるのは難しく、売る前に下がってしまうことが非常に多い。
③最近は個別理由が原因で株価が下がったときには、損切りを抵抗なくできるようにはなっています。今回のサブプライム暴落のようなマーケット全体が下がった場合には、基本的に損切りはあまりしません。
④以前は信用やオプションをやったこともありましたが、最近は現物買い一本です。素人個人投資家は休日くらいしか時間がないので、現物買いだけで手一杯だとは思います。
⑤一応、四季報でスクリーニングして、その後決算短信などを見て、調査を深めています。以前のように買った後にすぐ下がる、とかはあまりなくなっています。過去3年で自分なりにもっとも進歩があった部分だと思います。
⑥これはあきらめています。個人が機関投資家に太刀打ちができない分野です。土俵を代えて戦う、つまり小型株や新興株のような機関投資家があまり本気でかかってこない分野で戦う方法で自分は対抗しています。

とにかくマーケットの下げの段階で個人は泣く泣く売らされてしまいます。ある人は信用の追証で売らされてしまうかもしれませんし、ある人は損失あるいはどこまで下がるんだろう?という精神的圧迫に耐えられなくなって自ら売ってしまいます。

例えば、底なし沼の状態の感があるジャスダックマーケットですが、土曜日の日経新聞によると、8月第1週、第2週で個人投資家は大量に売っています。これに対して、外国人は第2週はなんと買い越しています。また日本の法人は、第1週、第2週ともに買い越しています。株価が下がる、ということは、株を商品に例えれば、商品の値段が下がっていく、ということです。商品の値段が下がった時に、個人投資家は売ってしまい、外国人や法人はそれを買う。これでは素人投資家は儲かりません。

もちろん、「言うは易し、行うは難し」、の典型的な現象であり、私もその典型的な素人投資家の1人なのではありますが...

この世界同時株安の中でも中国の上海マーケットの株価は堅調なようだ。それは何故でしょうか?また中国の人々は、株に対してどのようなイメージを持っているのでしょうか

以下続く!

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