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阿里巴巴(アリババ)その5(中国供応商とは?)

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阿里巴巴(アリババ)が遂に始めた有料サービス「中国供応商」とは以下のようなものであった。

①阿里巴巴(アリババ)の中国語サイトに対する有料会員の商品の掲載(このサービスは無料会員にも提供されたのだと思いますが...)
②阿里巴巴(アリババ)の外国語サイト(英語など)に対する有料会員の商品の掲載
③世界各国の貿易展示品会などに対する有料会員の出展支援
④阿里巴巴(アリババ)のエンジニア・コンサルタントなどを有料会員に派遣し、技術的な阿里巴巴の使い方、取引量を増加させるための施策に対するコンサルティング

この「中国供応商」なる新サービスは、非常に顧客の好評を得た。阿里巴巴(アリババ)には莫大なる無料会員がおり、彼らが考えられるあらゆる商品をBtoBサイト上に展示していたため、世界中のバイヤーたちが阿里巴巴(アリババ)に殺到していた。中国側企業にしても、顧客を新規開拓するには海外に出るしかないが、海外にでるノウハウも資金もない企業が大多数であった。まさしく、需要と供給がマッチングした状態となり、中国供応商の評価はうなぎのぼりに高くなっていった。

馬雲は、この中国供応商なるサービスを広めるために、古今東西(日本ではタカラのたまごっちや任天堂のDSで使われていると思われる)ごく当たり前、かつ非常に有効な戦術を採用した。中国供応商サービスを提供する企業数を2,000社と制限したのである。ただし、1年間のサービス料金は数千人民元と非常に手頃な価格であった。

この戦術は見事に当たった。中国供応商の価格はあっという間に年間4万人民元、あるいは10万人民元を超えることもあった。提供する企業数を増やし、有料サービスの顧客は1万以上になった。基本的に有料サービスの顧客は、阿里巴巴(アリババ)が提供する中国供応商が有料であることに全く不満はないようであった。これは、阿里巴巴(アリババ)へ支払う料金が、顧客が阿里巴巴(アリババ)を利用して儲ける金額と比較して非常に僅かであったためである。私個人としては、やはり中国マーケットにおいては、Cからお金を取ることは(仮にCに対して十分なメリットを与えたとしても)難しいが、Bからお金を取ることは(Bに対して十分なメリットを与えることができれば)可能だと思っている。

もちろん中国供応商サービスが大成功をおさめた背景には、中国国内には無数の中小企業が存在する、という事実は否定できない。米国マーケットとは全く異なった企業規模の構成が、非常にBtoBサイトの普及を促進していると思う。

阿里巴巴(アリババ)の有料顧客は1万社を超え、海外の阿里巴巴(アリババ)ユーザーは40万を超えた。

以下、続く!

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