オルタナティブ・ブログ > 元ベンチャーキャピタリストが語る中国ビジネス&More! >

最新の中国ITビジネスを中心に、国内外の金融、モバイルなど幅広いテーマを論じます

阿里巴巴(アリババ)その6(とあるコスプレ企業)

»

現在秋葉原で流行しているコスプレ衣装。こういった萌え文化はまさしく日本独特の文化であろう。ただ、萌え文化が日本発信の世界の冠たる文化になるかどうかは、個人的にはやや疑いの目を持っている。萌えという概念を日本男性は明らかに保持しているし、もしかしたらフランス男性も持っているかもしれない。しかし、中国男性や韓国男性がこのような萌えの概念を持っているとは到底思えない。彼らはあまり(日本人が言うところの)可愛いという概念がない。とにかく美人が好きである。美人絶対主義の思考で萌え文化が出現するとは思えないのだが...

さて話がそれてしまったが、こういったコスプレ衣装といった身近(でないかもしれないが...)な製品にも阿里巴巴が絡んでいるといったら驚かれるではないだろうか?

またもや杭州だが、この街に空港の近くに明達芸術服飾公司という会社がある。従業員約100名の1995年に創業したコスプレなどの衣装を作っている会社だが、海外、特に欧州へのコスプレ衣装の輸出が非常に多い服飾会社である。欧州各国の顧客から特注のコスプレの発注が多く、一着の値段は安いものだが、それでも毎年の売上は5億円近くに達している。

この会社は1999年から阿里巴巴のBtoBプラットホームを使っているが、現在は驚くべきことに売上の90%はネットからの注文に依存している、とのことである。阿里巴巴を使い始めてから海外からの発注が急増している。1994年にはわずか数百万円だった海外売上は、現在は数億円規模に達している。杭州の片隅にある従業員100名程度の会社がここまで海外展開をしているとは私も想像もしていなかった。それも間に商社などの代理店を通さないで、直販による売上なのである。

もちろんこの明達芸術服飾公司は阿里巴巴の「中国供応商」の有料サービスに加入している。年間の加入料はわずか数十万円。阿里巴巴を利用することによる海外取引の急増というメリットを考えれば、有料とはいえタダ同然の価格設定であるので、この支払いに気が進まない阿里巴巴ユーザーはいないだろう。

明達芸術服飾公司の社長は、「我々は阿里巴巴によって急速に発展した。ただし、我々より遅く創業した阿里巴巴は、我々より急速に発展している!」

以下、続く!

Comment(0)