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浙江省の旅 その5(地場のBtoB Webサイト編)

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起業家風土、数多くの地場中小企業、浙江省の外から来るバイヤー、100万を超える中小企業。こういった好条件に恵まれ、現在浙江省はBtoBビジネスを提供するWebサイトが大量に発生している。その数は既に1,000を超え、中国全体のBtoBサイトの60%~70%を占めている。以下にその一例を紹介する。

・網盛科技(深センに上場)
BtoBプラットホーム開発のソフトウェア企業。孫徳良が起業。

・中国化工網
化学工業製品のBtoBサイト。孫徳良と程素華が起業。

・中国機械網
機械製品のBtoBサイト。程素華が起業。

・全球紡績網
紡績関連のBtoBサイト。丁建軍が起業。

・中香網
香料を取り扱うBtoBサイト。蒋偉華が起業。

・中国包装網
包装、印刷、紙などを扱うBtoBサイト。ゴン(日本語フォントなし)経強が起業。

いずれも浙江省を代表するBtoB企業である。Webサイトにアクセスしてもらえばすぐに分かるのだが、いずれも見た限りは単純はBtoBサイトである。日本で同じようなサイトを運営しても利益が出るとは思えないが、実際に浙江省のBtoBサイトはその多くが黒字であるという。過去においてはBtoBの取引がオフラインで非効率に行われており、Webを利用することによっていかに取引が効率化されるか?がまさに示されていると思う。

上記のBtoBサイトは、網盛科技を除いて上場はしていない。もちろん中国機械網のように外部資金を一切いれていないところもある。もし日本だったら、このような企業にはVCが殺到すると思われるのだが、このような中国企業が、中国国内上場対象となり得るのかよくは分からない。網盛科技がシンセンに上場しているくらいであるから、上場対象とはなりえるのだとは思う。経営者が一切VCなどの外部資金を入れていないのか、それともVC側がもはやBtoBビジネスは上場対象と考えてないのか、その理由は分からない。あるいは今年、来年上場予定の企業があるのかもしれないが。

ここで説明した浙江省のBtoB企業はいずれも専業サイトである。日本で言えば専門商社のようなイメージである。しかし中にはあらゆる商品を取り扱う総合商社のようなBtoBサイトもある。そう、真打である阿里巴巴の登場である。

以下、続く!
なお、次回から題名を「浙江省の旅」から「阿里巴巴(アリババ)」に変更します。

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