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中国の自動チャット返答システムの会社に会いました!

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食文化

昨夜、上海にある”Xiao-i”というベンチャー企業の社長らと西麻布の”牛の蔵”という焼肉店でディナーを共にした。米系ベンチャー企業の経営陣との食事の場合には食事の内容にかなり気にかけることになるが、中国系の場合には大概のものは大丈夫だろう、という認識を私は持っていた。ただ、昨夜の中国人は2人ともにユッケ等の生肉には手がでないようであった。生卵などはもってのほか、という感じであった。

偶然の再会

私は、このXiao-iという会社は、かなり以前からユーザーであった。2年以上前だと思うが、香港の秘書が「MSNメッセンジャーに、このメンバー名を追加してみて。」というので登録してみた、のが最初の関わりであった。こちらかMSNメッセンジャー上でチャットを入力すると、いかにもそれらしい返答を返してくる自動システムであり、当時の記憶としては、昔パソコンが出始めた頃に流行った人工知能による自動会話システムのようなもので、これがなにかビジネスに繋がるのだろうか?というものであった。その2年後に偶然とはいいながらも、その会社の社長とディナーを共にする機会があろうとは想像もできなかった。

言葉のチャンポン

食事時の会話は中国語、英語のチャンポンだった。中華系の経営者と話す場合にはよくあるパターンで、英語のみでの会話と比較して非常に意思疎通がスムーズになる。英語が話しやすい表現と中国語が話しやすい表現と完全に分かれるような気がする。この点はまた後日、機会があれば過去の経験をブログ上で考えてみたい。ともかく社長は英語は上手であった。米国居住があるのか聞いてみたが、「ない」とのことであった。なかなか英語圏で生活しないであのレベルの英語力には達しないと思うが、やはり日本人よりは語学の上達スピードが速いのであろうかか?それとも、子供のときから複数の発音体系に接しているので、新しい言語に対して柔軟性があるのであろうか?中国の3大猛暑都市の武漢(あとの2つは南京と重慶)出身と言っていたので、子供の頃の方言、普通話(中国の共通語)、上海語(オフィスは上海の浦西にある)と、常にいろいろな発音に接してはいるハズである。

ビジネスモデルの変遷

ところでビジネスの話に戻るが、私の疑問はたった一つ、「あのような自動チャットシステム」で、どのように利益を上げるのか?という点であった。早速、この点を社長に投げかけてみた。社長によると、当時(2年前)と比べて、そのビジネスモデルはだいぶ変わっている、というか進化している、とのことであった。当時は、娯楽目的、いや単なる暇つぶしにxiao-iと会話するだけであったが、現在は、自動会話システムを使ってユーザーにいろいろな情報提供をしている、とのことだった。私は、日本に同様のサービスがあるのかどうかは知らないのだが、

確かに「自動応答システムを利用して情報を提供する」、というのにかなり新鮮味を感じた。ようは、ユーザー受けするインタフェースを提供する会社、へ変身したのだと思った。 確かに社長の説明を聞く限りだと、「Yahoo知恵袋」や「旅行案内Webサイト」や「フィナンシャルプランニングWebサイト」のようなシステムがバックにあるようだが、特にこれらのバックシステムに特徴があるとは思えない。やはりXiao-iがXiao-iたる所以は、「小i機器人」というブランド名そのままに、ユーザーフレンドリーな自動応答のフロントエンドシステムにあるのだろう。フロントエンドは、自社のWebサイトだけではなく、MSNメッセンジャー、QQ、Yahooメッセンジャーの3つにも対応している。やはり、インターフェースがWebだけだと、他社との差別化を打ち出しにくいが、既存のメッセンジャーから自由に質問ができるとなると、そのインパクトは大きいのだと思う。

異なるチャット文化

日本と異なり、中国ではPCのメッセンジャーソフトが驚くほど普及している。日本は世界で有数の携帯電話文化を誇っているので、気軽なメッセージ交換にはどうしても携帯メールを使ってしまうが、海外は思いのほかにPCが健闘している。特にQQは、中国で最も普及しているメッセンジャーで、当初はメッセンジャービジネスだけで香港市場に上場しているくらいである(現在は、オークションなど、各種分野で進出している)。逆に言うと、このようなメッセンジャーが非常に普及している巨大なマーケットがあるからこそ、”Xiao-i”のような会社が、ニッチな隙間を突いて、大きく発展するポテンシャルを持っているのかもしれない。

”Xiao-i”としては、日本へのビジネス展開、日本における橋頭堡としてのパートナーは求めているようではあるが、日本と中国では背後のインターネットマーケットの特性が異なるために、どこまで”Xiao-i”のような会社が日本で展開可能かは自分には分からない。日本は、フロントエンド的なアプリケーション(システム)が非常に普及しづらい国だと自分は考えている。たとえば、IVR。電話の自動応答システムで、ユーザーが話す声による指示をシステムが自動的に認識して、ユーザーを最終的な目的地へ導いていく。中華圏では非常に普及しているが、日本ではほとんど普及していない。日本の自動応答システムは普通は、数字を入力することにより、自分の目的をシステムに通知するのが一般的である。日本で成功するには、中国とは異なる第三の発想が必要そうだ。

翌日、彼らを六本木のZabooに案内し、そこで社長とは別れた。上海でまた会える気があればよいと思っている。最後になるが、会社のURLは http://www.xiaoi.com/ である。

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