人が喜びそうなことを探すのは本末転倒~あるいは天職の見つけ方
人が喜ぶ、あるいは人のお役に立つことをやって報酬をいただくというのがビジネスの基本です。
しかし、自分軸(「誰に」「何を」「なぜ」提供しているか)を考える際に、先に人が喜びそうなことを探すのは、実は本末転倒なのです。
では、どうしたらいいのでしょうか?
●面接に落ちる人の考え方
ぼくが、ビジネス本では、これだけあれば十分であり、かつこれだけは読まないといけないと思う本は、たったの2冊です。
どちらもビジネス本というよりも人生哲学の本と言ったほうがいいかもしれません。著者はどちらもD・カーネギー。
2冊になってしまうのは、人に何かしてもらうには前者、自分を奮い立たせるには後者が必要だからです。そして、この2つさえできれば、ビジネスにおいては残る課題はなくなってしまうのではないかと思うのです。
その『道は開ける』の中に、大手石油会社の人事担当重役だったポール・ウィントンという人の言葉が引用されています。
「就職希望者の犯す最大の誤りは本来の自分ではなくなることだ。警戒心を解き、素直な態度をとるべきなのに、彼らはしばしば相手が望んでいると思う答えをする」
ぼくは、この言葉をちょっとだけ変えて、自分のブログに取り上げました。
※記事はこちら(裏解説をぜひお読みください)
で、これは真実だと思うんですね。
●最初に決めることは
冒頭の問いに戻りましょう。
先に人が喜びそうなことを探すのは、面接で言うところの、「相手が望んでいると思う答え」を探すのと一緒です。
では、先に何をするのか?
本来の自分を探せばいいのです。
自分が得意であり、自分らしくやれて、自分がやりたいと思うことを先に探す。
積極的にやりたくなくても構いません。やっても構わないというレベルでもいいのです。(※)
※これは、自分は天職を見つけたという人の多くが、最初はその仕事を嫌々やっていたという事実に基づくものです。
ここで長々と探す必要はありません。時間をかけすぎると、自分探しで人生が終わってしまいます。
とにかく決めてしまえ!という感じです。
●「誰に」「何を」を考えてワクワクしてくれば・・・
とりあえず、やりたいことが決まったら、その次にこれを求めている人は「誰」かを探すのです。
この順番が正しい。
企業も消費者も欲しいものは、まがいものではなく本物なのです。
あなたがもっとも得意で、やりたいと思うことが、結局は一番本物に近いわけです。
他人に媚びれば、まがいものしかできません。
そして思い浮かぶ「誰」を、あなたは好きになれそうか?――これが次のチェックポイントです。
笑えない職業選択のパターンで、カウンセラーになったのだけど、ネガティブな人とは口もききたくないというものがあります。これは苦痛でしょうねえ・・・。
こういう選択は避けてください。
好きであり、一定数いそう(クラスに一人が最適です)であれば、その人たちが自分のやりたいことで、どう変わるかを考えてください。
その結果が出たところをイメージして、あなたはワクワクしますか?
ワクワクするのであれば、おめでとうございます!天職が見つかったので、あとは邁進あるのみです!
ふつうは1回で見つかってしまうはずなのですが、ワクワクしないということであれば、次を探してください。さきほど「長々と探す必要はない」と書きましたが、どんどん次を探すほうが早く見つかるからです。
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