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スマートデバイス導入プロ集団のイシン社長です。仕事に関係ない話題も多いです。

DXのみならず、IT導入に失敗する中小企業の特徴

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我々が、ITセミナーなどを実施すると、当たり前のようにいろいろな企業の成功例をお話することが多いです。参加いただく方々も、成功事例を聞きたがる傾向にあります。

しかし、実は失敗事例、失敗する原因などを知っておくことが重要だと感じています。でないと、知らなかったがゆえに、同じ失敗を繰り返すかもしれないわけです。

過去に失敗した理由を、システム開発会社、いわゆるSIerの問題としている企業が少なくないのですが、結果的に自社の支出となっているのですから、相手のせいにばかりしていてもしょうがないわけです。

そういう企業にとっては、DXなんて言葉を聞いて、またDXしましょう!なんて高らかに提唱するIT企業は、胡散臭く見えてしまうのかもしれません。

あなたの会社はやってませんか?「DX化」のあるある悲劇」(DIAMOND Online)

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DXに挑戦した企業でも、やはり失敗した企業に共通するのは、この図に集約されていると思います。

「意味のないデータを扱う」「データが汚れている」。さらには「無駄に複雑なことをする」に至っては、何を達成すべきか分かっていないことが原因ですよね。

DX、あるいはIT化にしても、ゴール設定が重要です。それは、

・生産性向上
・社員の負荷を減らす
・残業削減

など、いくつか考えられますが、ゴールはシステムを使えるようになる、といったものではないわけですね。DXを実現するのは、システムだったり、クラウドサービスだったりするわけですが、それはあくまでツール、道具ですよね。

ですが、システム開発会社は「ソリューション」と称して、自分たちのシステムサービスなどを売り込んできますが、ゴールはぶれてはいけないわけです。

で、ゴールが「社員の負荷を減らす」である場合、何で負荷が増えているのか。例えば、B2Bの場合、ファックスでオーダーを受け、それに返送する、という場合は、印刷する、記入して返送する、という作業を軽減することで、ある程度達成できるかもしれません。

また、DX=ビジネスモデルの再構築みたいな言葉も、そういうことが向いている企業もあれば、そうではない企業もあり得るわけです。ビジネスモデルにまで手を入れてしまうと、大変なことになるかもしれない。そこは慎重に考える必要がありますよね。

そういう意味でも、何がゴールなのか。そのゴールは、最終的なゴールでなくても構わないと思います。中間目標でも良いわけですよね。中間目標を達成してから、次のゴールを設定する方法もあります。そこにかかるコストも、一気に使わずに、中間まで、そして次の中間まで、ということで、金銭的負荷も軽減できるわけですよね。

ここのところ、DXという言葉がゆえに、失敗する企業、あるいは躊躇する企業を見てきて感じたことを列記してみました。

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