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フェイクや煽りを信じてしまう危険、更に拡散する危険

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アメリカのNPO「CCDH」(Center for Countering Digital Hate)が調査したで、2021年2月1日から3月16日までの間に、コロナワクチンに関してSNSに投稿された80万件以上のフェイクニュースのうち、65%が12個のアカウントから作成・拡散されていたとのことでした。

誰が、何のために「デマ」を拡散させるのか?」(NHKオンライン)

「デマの65%は12人から派生している」

記者会見でこう指摘したのは、ホワイトハウスのサキ報道官です。ことし3月までの1か月余りの間にSNS上に出回った新型コロナウイルスのワクチンに関するデマの65%は、わずか12人に派生するアカウントから発信されていたというのです。

その正体は、栄養補助食品の経営者、反ワクチンの健康法を謳う書籍やDVDを販売する人たちおよび医師たちだったとのことで。

12人の中にはフォロワーの数が、フェイスブック、ユーチューブ、インスタグラム、ツイッターを合わせて400万を超える人物もいます。
「新型コロナのワクチンによって不妊になるおそれがある」
「ワクチン接種によって死者が出ている」
それらのアカウントからデマが発信され、瞬く間に世界中に拡散されたのだといいます。

世の中には、ウソを言っても許される人と、許されない人がいると思います。許されるのは、例えば芸人が事実を少し膨らませて面白く話す場合。誰も傷つけないウソ。みんなが笑ってくれるウソ。

一方で、例えば役所の職員が来所者に対して、手続き上のウソを言うことは許されない。

つまり、立場と内容の両方なのですね。

いったい彼らはなんのために誤った情報を発信し続けているのか?その疑問を、報告書をまとめたCCDHのイムラム・アフマド代表に聞いてみました。
デジタルヘイト対策センター(CCDH) イムラム・アフマド代表
アフマド代表によると、12人は新型コロナウイルスの存在やワクチンを否定する情報を積極的に発信することで、多くのフォロワーを集めていて、そうした人たちを対象に、セミナーを開いたり、みずからが運営するウェブサイトでサプリメント、本、健康情報などの販売をしたりしているといいます。

CCDHが発表した別の報告書では、12人がそれぞれ運営するウェブサイトでの物品の販売、"健康情報"にからむビジネスによる年間の売り上げは合わせて3580万ドル、日本円で39億円余りにのぼるというのです。

実際、報告書の12人のリストのトップに挙げられ、SNSで400万人以上のフォロワーを持つ医師のジョセフ・メルコーラ氏は、ウェブサイトで健康グッズや栄養補助食品などを販売していました。
えげつない売上が報告されているのですね。嘘をつくと稼げる。そして、そんな情報を鵜呑みにしてしまう人たちが、彼らに儲けさせているという図式。

歴史を描いた小説などにも、事実ではないことが描かれることがあります。陳舜臣さんの「三国志」には、存在しない人物が登場しますし、秦の始皇帝の時代の小説なんて、実在しない人だらけ、だと感じています。しかしそれは、あくまで小説であり、実録ではないのですから、それでいいわけですね。

小説はさておき、フェイクニュースに騙せれて、さらにそれを拡散してしまうような人間にならないようにしたいものです。

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