起業はやめよう!あなたに起業は向いていない
「起業したい」そういう人は、今でも少なくないようです。まあ、一人会社なら簡単かもしれませんが、人を採用しないと成立しない会社を起業するのは、決して容易なことではありません。
この本を書かれた斎藤由多加さんは、ゲーム「シーマン〜禁断のペット〜」の声の人。ゲームソフト会社、ビバリウムの創業社長。現在は、オープンブックという会社を経営しておられます。
本書の中で斎藤さんは、「ゲーム会社の社長は、週に2-3日は会社で寝袋で寝る」なんて話をされています。意味としては、社長は偉ぶるものではなく、社員がいかに働きやすくするか、ということを実行する仕事だ、という意味だと理解しています。
「起業したい」という人の中には、いかにカッコいいオフィスにするか、といったところにフォーカスする人が少なくありません。シェアオフィスだとしても、今どきなカッコいいオフィス。六本木とか、銀座とか、一等地に存在するシェアオフィスからスタートさせたい、なんてことを考えてしまうようです。
起業することなんて簡単なわけです。今どき、資本金なんてほぼ要らない。個人事業主で始めるなら、登記費用も要らないわけです。
しかし、問題は「継続」です。日本企業は、世界的に生存率が高いほうだと言われています。中小企業庁の調査では、日本の企業生存率は1年後に95.3%、3年後は88.1%、5年後は81.7%とのこと。意外と生存するわけですが、それでも10社に1社は1年以内に無くなるわけです。しかもこれは、帝国データバンクに登録されている企業だけなので、実際にはもっと多いと推測できます。
起業して、キレイなオフィスに入り、どこかの大きなセミナーで講演し、気楽に継続できる。そんなことを夢見ているようなら、あなたは起業に向いていない、と言い切れます。実態は、もっと大変だと思う次第です。