Mac Proの本質が分かる人は、極めたクリエイターか、エンジニアか
WWDCで発表された新たなサービス、OS、ハードウェアなど、今回の発表は盛りだくさんで、記者のみなさんは頭が混乱しておられるのではないかと思います。
さて、その中で僕が注目したiPad OSは後日整理するとして、デザインを「大根おろしだ」などと揶揄する人たちがいた「Mac Pro」に注目しました。
僕は、なんと言ってもあのデザインがカッコいい。個人的には、レンジローバーのグリルを思い浮かべましたが、こんな意見もあって、こちらも納得。
Mac Pro新デザインは、メルセデスAMG GT Rのグリルで、ヴィトンのモノグラムだ(Flick! / FUNQ)
世界には『性能を得るためならコストをかけられる』ニーズがある。たとえば、8K映像の編集をする人。超プロレベルのトラック数の多い音楽を編集する人。映画レベルの複雑で精緻な3Dグラフィックスを動かす人。巨大なアプリをビルドする人......。数千万、数億のお金が動いているなら、数百万円のマシンは高くないはずだ。
自作パソコンのケースのような性能本位の安っぽいデザインも可能だろうが、ハイファッションの文脈で、高い性能に、ゴージャスなデザインを合わせて来たのだ。
ルイヴィトンのモノグラムとか、メルセデスAMG GT Rの巨大なフロントグリルとか、超々高級なモノには、トンがったド派手なデザインが必要なのである。
このあたり、ジーンズに黒のタートルネックしか着なかったジョブズが率いていた時代と違って、世界中の高価なブランドを知るエクゼクティブをVPとして擁する今のアップルならではの判断ともいえるだろう。
最近のiPhoneの価格戦略に不満を持つ人もいるようですが、プライベートで使うレベルと、業務用とではニーズが根底から違うのは当然ですよね。そして、そこにデザインを鎮座させる。
メルセデス・ベンツのスリーポインテッドスターとか、ルイ・ヴィトンのモノグラムデザインが施された存在感のある船旅用トランクとか、必要か不要か、という議論を超越したところも、アップルがこだわったところなのだろうと想像しています。
極めたクリエイターか、とんがったエンジニアなのか。どんな方が使うのかにも、興味が沸くところです。
(参考)Macの性能を新次元に 新Mac Proの魅力とデザインに迫る(ITmedia)