製品・サービスがコンフリクトを起こす、とは
Apple Consultants Networkの仲間で、弊社と仲良くしていただいている寿商会さんが、FileMaker Go 13でマニュアルを作ることが出来るサービスをリリースされます。ユーザーインターフェースを持つデータベースとして有名なFileMakerですが、iOSアプリであるFileMaker Goというと、どちらかと言うとビューワーのイメージが強いですが、そこから入力をすることが出来る素晴らしい例として、興味深い取り組みです。
と、僕がこんなことを言うと「え?イシンさんはTeachme Bizを推しているのでは?」と言われるようです。この両製品・サービスが、コンフリクトを起こしているのではないか、と思う方がいらっしゃるようです。コンフリクトとは、競合とか、衝突という意味で、この場合は「競合」の意味ですね。双方が競合しているのではないか、ということのようです。
しかし、考えてみましょう。仮に、5名くらいの会社で、とにかくマニュアルのサービスを使いたいだけ、だったら迷わずTeachme Bizをお薦めします。他にタブレットやスマートフォンでやりたいことがない時点では、特段FileMakerを入れる必要がないと判断できるからです。一方で、FileMakerを使っている企業が、その延長線でマニュアルに困っているのであれば、FileMakerを活用してマニュアルを作ることが出来る、寿商会さんのManualizerが適していると考えられます。いわゆる、T.P.O.で使い分けをすればいいだけなのですよね。
IT業界に長年いて感じるのは、システム開発をする人たちは、何でもかんでも開発することを目的化しがちな気がしますし、エンジニア派遣の会社は、自社のエンジニアを活用することばかり考えがち。いずれも、「顧客不在」になってしまっているのです。
顧客を無視せず、本当に顧客、そしてお客様の会社が便利になり、良くなるために何を提供できるか、を考えるのがイシンの使命だと考えています。そのために弊社の利益が減ることがあるのなら、それは当然だと思うのです。要らないものを売りつけるなんてことをする必要はないのですから。
こういう視点で考えてみると、現在のところ日本にあるクラウドサービスの多くは、コンフリクトを起こしていない気がします。きちんとお客様の目的、ニーズを理解していれば分かるはず。
先日、半年前に録画したマイケル・ジャクソンのプライベートを録画した映像を観ました。そこで彼は、「現在の課題を解決するために僕はこういう取り組みをやっていく」という話をしていたのですが、「課題を解決」は英語で「Solution」なんですよね、当たり前ですけど。「ソリューション」という名乗ったシステム提案のことではないのです。そういうことを再認識した三連休でした。