すべての社員に同じものを渡す、で正しい?
昨日、一昨日で、六本木ヒルズでのセミナーを開催してきました。ご参加いただきましたみなさま、大変ありがとうございました。
昨日、パネルディスカッションのときに、「今まで印象に残るiPad導入は?」という質問を受けたのですが、どのケースも印象的で、どのケースが、ということを決めづらかったのですが、全般的に感じているのは、実はPCが要らないというか、PCではオーバースペックな職種の方々がいらっしゃる、ということなのですね。
自転車で考えてみると分かりやすいと思うのですが、自転車で近所に買い物に行きたい人に、18段変速のロードレーサーを提供しても困るわけです。そんなにスピードが出るのは怖いし、しかも買い物カゴもない。あるいは、旅行に自転車を持って行きたい人には、折りたたみのコンパクトなものがいいのに、前後に子供を乗せるようになっている自転車では大きすぎて、どうにもならないわけですね。
現在の企業の多くでは、社員にWindowsPCを提供していますが、経理の人は経理業務が効率よく遂行できる端末が必要でしょうし、開発するエンジニアはそれなりのPCで、さらにそれを実行するためのアプリケーションが必要になる。しかし、営業担当は営業業務にとって効率的な「端末」がありがたいわけですね。すると、移動時でも使いやすい端末がいい。起動させて、ウイルス対策ソフトが立ち上がって、VPN接続に時間がかかって、というものでは仕事がしづらいわけですね。
弊社のお客様の中に、以前はWindowsPCを提供されていて、それを起動させるのに10分以上かかる。(ウイルス対策ソフト、監視ソフト、VPNまで立ち上げるため)それでは、ちょっと時間が空いたときに起動させることはできない、とおっしゃっていました。実際、お昼に30分ほど時間が空いたからといって、PCは持ち歩いているだけで一日開かないことがほとんど、とおっしゃっていました。
この写真は、僕が以前ブログに書いたものを、昨日の質問時にご紹介したものですが、以前ガソリンスタンドで、実際に車の修理の依頼を受けたガソリンスタンドの店長さんがiPadを使っているところを撮影したものです。これを見て、つくづくこの店長さんが必要な端末はPCではないなあ、と感じたことを覚えています。デジカメで撮影して、PCに取り込んで、修理工場にメールで送る、ということでは、手間がかかる上に、時間もかかってしまいます。また、PCに不慣れならさらに遅くなる。iPadなら、操作が簡単ですから、その場で完結してしまうのですね。あれこれとカスタマイズするのもいいですが、iPadの基本機能だけでも出来ることはたくさんあるのですよね。
社内にはいろいろな部署があり、その職種ごとに必要な機能、必要なスペックが違うのだと思います。もう、全員同じPC、という時代ではなくなってきているのだと思います。