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シリコンバレー見聞録―その4 ブルーボトルコーヒーが飲めるHanaHaus

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あのパロアルトの中心街に、日本でも最近有名なブルーボトルコーヒーとタイアップした新しいCafé & Workspaceがあります。ERPの巨人と言われるドイツのSAPが運営する「HanaHaus」です。

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《メインストリートに面したHanaHaus

ブルーボトルコーヒーについては、東京・青山や品川、新宿にも出店されていますのでご存知の方も多いかと思いますが、少しだけ記載しておきたいと思います。もともとはカルフォルニア州オークランドがスタートでサードウェーブコーヒーの代表格と言われています。

サードウェーブコーヒーとは、インスタントコーヒーなど急速に家庭に広まったファーストウェーブや1960年代から2000年頃にかけて広まったシアトル系のスターバックスを代表とされるコーヒーの風味を重視するセカンドウェーブに次ぐ、コーヒー本来の価値を重視する第3のコーヒーの流行を指す言葉らしい。

個人的にはスタバ派であったのですが、丁寧に淹れていただいたブルーボトルコーヒーは、少し酸味の利いたコーヒーで、なかなか味わいの深いコーヒーでした。そして何よりもアットホームな対応が印層的でした。

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《酸味の利いたブルーボトルコーヒー》

名称は、あの戦略商品から

このコーヒーショップ兼ワーキングスペースにはSAPの商標は使用されていませんが、SAPのインメモリ・データプラットフォーム「HANA」から、HanaHausという名前が付けられたらしい。オープン・イノベーションやデジタル・ビジネスの潮流を考えるとSAPというブランド名を敢えて付けなかったは、賢明だと思う。

店舗は、中東のバザール風のエントランスを入り、穴倉のように長い敷地。右手奥にワークショップスペースガ展開される。

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HanaHausの案内図》

明るいオープンな雰囲気のワークスペース

何かアメリカと異なる異国の雰囲気が漂うパティオを越えて室内に入るとブルーボトルコーヒーのカウンター横にワークスペースの受付が出現する。近隣のワークスペースと比較して低価格に押さえられているため、気軽に利用できるらしい。

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HanaHausのワークスペース》

ベイエリアの新鮮なアイデアを吸収

SAP社の広報担当者のコメントによると、"われわれは、新しいアイデアと新鮮な思考をめぐってベイエリアで行われている会話に参加したいと思っている。新しい方法で起業家コミュニティに入ることを後押ししてくれるのがHanaHausだ"と宣言している。

なるほど、これも一種のオープン・イノベーションへの取り組みかと。様々なワークショップや著名人のトークイベントを開催することでベンチャーや企業家、フリーランスとコラボレーションし、斬新なアイデアやトレンドを吸収しようとしている。

SAPは今後、ベルリン、ロンドン、上海における起業家活動の中心地で、同様のカフェを開店する計画だという。有名コーヒーショップとのタイアップなど、日本のベンダーにはなかなかできない取組みであるが、真似をしてみたいアイデアでもある。

参考出典:SAPがコーヒーショップを開店したワケ

(つづく)

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