ベンチャーと大企業
SEのコンベンション大会を最終決戦の舞台としたハッカソンは、一定の手応えを得ることが出来ました。
となると、次は社外でのオープンハッカソンの開催にチャレンジしてみたくなります。
真夏のハッカソンから秋のコンベンション大会での発表を踏まえて、"もし社内ハッカソンが成功したら春にはさくらをテーマにした「さくらハッカソン」をやろう!"と心に決めてました。 しかし、社内でちょっと上手くいったからといって社外の方を交えたハッカソンが上手く行くとは限りません。やはりノウハウや経験値が足りません。やはり、責任者としては、そこは慎重にならざるを得ませんでした。
私が代表を務める「あしたのコミュニティーラボ」は、様々な社会課題を考えるメディアなのですが、このメディアの取材を通して福島のベンチャー企業の経営者と知り合うことが出来ました。 Eye's Japanの山寺純さんは、2013年に医療ハッカソンの世界大会で世界一にも輝いた方でした。若手が彼を招聘したいと提案してきました。
ベンチャーと大企業
オープン・イノベーションがブームの今でこそ両者の交流は活発化していますが、当時はまだ珍しかったかも知れません。現に山寺さんも大企業に対する見方は、我々と出会うまでは随分と異なっていたようです。あえて私の口からは言いませんが(笑)
今でこそ語れますがベンチャーやスタートアップと大企業のお見合いからお付き合いの仕方にはそれなりの経験値が必要だと思います。規模は異なれど両社は対等のスタンスであることが大切ですし、大企業の担当者は、ベンチャー企業から摑みどころのない横柄な存在に見えていることを理解する一方で大企業の価値の本質を正しく理解してもらえていないかもしれないことも認識すべきだと思います。
ハッカソンのアドバイザーとして山寺さんをお迎えして、正直、大正解でした。運営のノウハウ云々と言うよりも心構えや参加者への気配り、ハッカソンに送り出す側のスタンスといったスピリットに関する部分で学ぶことが多かったです。
さらにアイデア出しのメンターとしてアイデアプラントの石井力重さんにお願いすることになりました。石井さんは、「創造工学」を専門とするアイデア出しのプロフェッショナルで単なるファシリテーターとは異なります。彼から教えてもらったアイデア創出手法は、我々の仲間の中でも広く伝播しています。
参加者へのインプットは、桜をテーマにした復興支援を続けられる東北夢の桜街道の事務局長である宮坂さんや宮坂さんの活動に賛同したJRさんやはとバスさんにお願いしました。
そして、全体のコーディネーターは、社内ハッカソンでも参加者から評価の高かった若きエース、富士通総研の佐々木さんが担当しました。
(つづく)